21世紀を生きる私達にとって、世界史はどのような意味と役割を持ちうるのだろうか。本講義では19世紀後半から、20世紀の歴史的潮流を様々なキーワード、概念、対立に焦点を当てて概観し、その中心的課題を「未来を生きる視野の地平」の探求と位置付けて考察する。単に丸暗記での知識の集積に終わらない、現実と対話する真の歴史的視野の確立を目指したい。
現代の高校教育においてはひたすら用語を暗記させるだけの「丸暗記型」世界史学習が流布しているが、それでは国立大・早慶上智・MARCHレベルの入試には到底太刀打ちできるようなものではない。一世代前の入試においては、重箱の隅をつつくような問題が頻繁に出題されたが、昨今の入試においてはそのようなものよりも、本当に世界史を自分自身に関わる問題意識をもって考察できているか、そこから学ぶことができているのかという理解力を問うような問題が多く出題されるようになった。何故なら、大学で学ぶ科目の基礎は世界史であり、さらに言えば若い世代がこれから生きて行く世界を開拓していくには、世界史の知識が最低限ないと話にならないからであると言っても過言ではない。そこで、本講義では特に重要な近現代史、戦後史をわかりやすいテキストと板書にて、流れを理解していく。諸君たちがそこで歴史を「自分自身」の実存に関わる問題として、遂行的に問題意識をもって自分自身の興味のある分野、そして何よりも大学の入試における梯子のようなものとして認識してくれれば、幸いである。高等教育を終え、大学生になる諸君たちは、一刻も早く「歴史は暗記科目である」という有害的な欺瞞に満ちた迷信から抜け出し、学問の面白さに気づいてほしいと思っている。
テキスト:プリントを配布します。参考書に関しては講義内で適宜、指示します。
備考
・受講者のレベルは問いません。ただし、意識とやる気を要求します。
・他講義に比べて莫大な情報量となる為、多くの筆記用具、ノートを用意して下さい。
・入試で論述が必要な場合は、授業後に個別的に添削指導を行います。
・質問、相談があれば遠慮なくどうぞ。
授業計画
1. 導入:本講義の目的、計画、勉強法の説明
2. 古代史の復習(ギリシア・ローマの制度、思想)
3. 中世史の復習(キリスト教世界における俗権と霊権の対立)
4. 帝国主義から第一次世界大戦まで(1)
5. 帝国主義から第一次世界大戦まで(2)
6. 戦争中の世界の動き(1)
7. 戦争中の世界の動き(2)
8. 世界恐慌から第二次大戦まで(1)
9. 世界恐慌から第二次大戦まで(2)
10. 冷戦とヨーロッパ統合の動き(1)
11. 冷戦とヨーロッパ統合の動き(2)
12. 現代のアメリカとソ連(1):米ソ外交史
13. 現代のアメリカとソ連(2):周辺世界へのその影響と悲劇
14. 大戦後の革命とアジア諸民族の独立
15. パレスチナ問題と湾岸戦争
