転職2日目を過ぎた休日。

足のむくみが半端なく、それはまるで抗がん剤をしていた時を思い出させる。ふくらはぎが足首より大きくなり、今にも水分が皮膚を破って出てきそうな程張っていた。そして何より痛い、だるい。駆け込むようにマッサージへ行って、そこで素敵な女性と出逢う。


受付にいる20代後半ぐらいだろうか。彼女は失礼ながら特別美人というわけでもなく、どこか田舎らしさが残るふんわりとした雰囲気だった。初めてのお店というのはやはり緊張する。絡まった糸がスルスルと解かれるように彼女の対応は素晴らしかった。笑顔で一生懸命さも伝わり、私はこの人に施術してもらうのが一気に楽しみになった。


案の定、施術は至福の時間でもあり、また楽しい前向きな会話が絶えることがなかった。田舎から出てきてもともとはお店のお客さんであり、スタッフの対応や雰囲気が良くてこの仕事に就いたという。活き活きと話す姿を見て、私も気疲れで慣れない職場のことすっかり忘れてしまう程だった。何よりも自分の仕事に誇りを持って働いているのは素晴らしい。好きなことに関して技術を高めようという姿勢は、どんな時よりも輝いていると感じる。


次回は彼女を指名しようと思う。


【技術があって熱量がない人、技術がなくて熱量がある人、どちらが成長すると思いますか?】


間違いなく後者だろう。


この言葉はいつでも心の中に刻まれている。