日に日に足の痛みが増していく。それに比例するかのように、娘が学校へ登校した後は横たわる時間が多くなった。

5クール、6クール…回を重ねる毎に浮腫が酷くなり、自分ではわからなかったが、顔がパンパンになっていた。ある程度まで我慢できたが、極限に至った頃、主治医に相談した。浮腫は水分がうまく排出できないので体内に溜まる。それが腫れ上がったような症状をもたらすのだ。その検診で初めて利尿作用のある薬を処方してもらった。体内の水分の排出を促してくれるらしい。早速それを毎日朝晩飲み、気休めかもしれないが何だか症状が緩和したような気がした。それと共に、日光に当たるのは辛く歩くとフワフワしていたのが、毎日散歩できるまでに回復した。

ある日、近くのショッピングモールへ行った。そこは私がかつてアパレル業界で働いていた場所。その系列店だった。顔馴染みの店員がたくさんいる。みんな身体を気遣って声をかけてくれた。あぁこの感じ、懐かしい。その頃の店長は一緒に働いたことがある人だった。挨拶をし現状を話す。深く頷きながら最後まで熱心に聞いてくれた。その後出た言葉に耳を疑う。

「ここで働く?」

まさに寝耳に水、思いもよらないオファーに驚きと嬉しさと完全に舞い上がる。自分でいうのもなんだが、以前働いていた時にパートであれ結果は残していた。抗がん剤があと2回残っていること、その後放射線治療に入ること、体調の悪い日があるかもしれないこと、それも全て快諾してくれた。その場はまた出勤出来そうな日にちを教えてというところで終わった。

私の再就職先は抗がん剤6クール目の終盤で決まる。