先月16日、カナダに住むとある家族の元に、1通の怖ろしい手紙が届きました。
「あるいらだつ母親より」と文中に記された匿名のその手紙には、家族の一員である13歳のマックスくんへ対する心ない言葉、差別ともとれる言葉
が、矢のように散りばめられていたのだそう。
海外サイト『HUFF POST』によると、マックスくんは重い自閉症を抱えており、どうやらそのことが、この手紙の差出人をひどくいらだたせている模様。以下に記載したのは、実際に手紙に記された一部抜粋です。
「お宅のお子さんが外で騒いでいる様子は恐ろしい。外で遊ばせたいのなら公園に行け!」
「ほかの騒音なら我慢できるが、お宅のお子さんには我慢できない!」
「誰が彼の面倒を見続けるの? 就職もできないだろうし、女の子と付き合うこともできなければ結婚もできない」
「個人的な意見ですが、お子さんの病気でない体の部分を医学のために提供すべきでは?」
「この地域から引っ越すか、それとも彼を安楽死させるか決めた方がいい」
と、ここまで読んだだけでも、その内容の酷さをうかがい知ることができるでしょう。手紙によって身の危険を感じた一家は現在、手紙の差出人を刑事告発することも考えているそうで、警察の協力体制の元近隣住民総出で、マックスくんを守ろうと対策を練っている最中なのだそうです。
数日後、マックスくんの母親カーラさんは、今回の事件に対し次のようなコメントを発表しました。
「自閉症に関してよく知ってもらい、公然と議論する勇気を持つこと、それがこのような事態を招かないための第一歩だと、私は考えています。マックスの行動によって悩まされているというのであれば、このような手紙でなく、きちんとその旨を知らせてくれればよかった」
「例えば小さな子供は、“どうしてあの子は普通に話すことができないの?” と臆せず私に質問してきます。その際子供の母親たちはバツの悪そうな顔をするだけですが、それがいけないと私は思うのです。自閉症はこういうもので、決して伝染病などの類ではないのだ、ということを、きちんと子供たちに話す。障害を持つ人間も、あなた方と同じ人間なのですから」
怒るのではなく、その前にまず自閉症のことを理解してほしい。無知から生まれる悲劇を一掃したい。そう訴えるカーラさんは、マックスくんは天の恵みだと、同サイトの取材で述べています。
「マックスは私たちに、純粋な喜びと愛を、日々もたらしてくれます。生命とはなにか、人生で重要なこととは何なのか。彼はそれを教えてくれた。そんなマックスから、どうか安心と幸せなときを奪わないでほしいのです」
マックスくんとその家族を恐怖に陥れたヘイトレターは、現在ツイッターなどにより猛烈な勢いで世界に拡散されており、その文面に多くの人々が怒りをあらわにしている模様。これを機に、世間の自閉症に対する理解が少しでも深まることを、強く願わずにはいられません。
(文=田端あんじ)
参考元:HUFF POST