今回は、授業ではないときのお話です。
いつもお世話になっている、某学童でのやり取りにて。
5年生の女の子から、「ここを教えてほしい。」と頼まれたので見てみると、分数の問いでした。
問題を解く様子を見ていると、彼女の課題がざっくり見えました。
①約分はある程度できる。ただし、分母分子が共に大きくなるほど、どの数で約分すればいいか見当がつかなくなる。
②通分の仕方がパッと頭に浮かんでこない。
この2点です。
約分:公約数さえ分かればいい
彼女が苦戦していた問題の1つは、「27/36を約分せよ」というもの。
彼女は、九九は理解していました。
わり算も、特にミスなくできるようです。
約分の場合、公約数さえ分かればできるもの。(公約数というワードは、敢えて彼女には言いませんでしたが。)
なので、彼女にはこう言いました。
「27と36が答えで出てくる段って、どれ?」
少し考えた後、「9」と彼女は言いました。
まぁ、この数値だったからそう問いかけたのですが、当然この問いかけでは対応できない数も存在します。
が、約分の考え方のとっかかり、つまり公約数の見つけ方としては有効かと思います。
通分:公倍数が分かればいい
彼女のもう1つの課題、異分母分数の計算。すなわち通分をしてから計算すること。
彼女自身は、公倍数の概念自体は理解しているようでした。(これも、公倍数という呼称は使いませんでしたが。)
ですので、公倍数の考え方そのものを伝えると、パパッとできるようになりました。
また、最終的に答えが約分できそうなら、約分もするよう指示。それもミスなくこなしていました。
不要な言葉を使わない
ここまでご覧くださった方の中には、こう思われた方もいらっしゃると思います。
「『最大公約数』や『最小公倍数』も教えればいいのに。」
確かに、約分は「最大公約数」で分母分子をわるのが最も早いですし、通分は「最小公倍数」で考えた方が、計算が簡単そうではあるかと思います。
ですが、そもそも公約数や公倍数の考え方がきっちり理解できていない段階でそれらの言葉を使うのは、かなり危険であると考えます。
何が言いたいかというと。
まだ概念の理解が固まっていない中で「最大」とか「最小」とか言い出すと、余計混乱してしまいます。
今回のお子さんの場合、まだ公約数や公倍数がどんなものなのか理解し切れていなかった様子。
だから、「最大公約数」「最小公倍数」という言い方はしなかった、ということです。
まぁ、くり返し解くうちに、自分で気づくだろうとは思っています。彼女の理解速度は速いので。
と、こんな感じで、学校でも日々学習指導をしていました。していたつもりでした。
ここまで言語化したことがありませんので・・・・・・。
今まで、如何に感覚だけでやっていたのかがよく分かりました。
それが、最近の学びです。