true-headphone

潮風が頬を撫でます。

海沿いの公園で
ちょっと強めの風が
体を押します

お気に入りの歌を
ヘッドホンで聴きながら
君が来るのを
待ってます

歌に気をとられて
君が
近づくのに気付かなくて
急に
手を握られて
つい耳からヘッドホンを
落としてしまって
君が
「何聴いてるの?」って
言うから
耳にヘッドホンを
当ててあげた

君が
「いい歌だね」って
言うから

待たされたのも忘れて
笑ってしまった

春先の
海からの冷たい風も
君の
ちょっと小さい
あったかい手で
やわらいでしまいます

僕も
ちょっと力を入れて
あったかい手を
握り返しました

このぬくもりが
やっぱり
幸せなんだと思うんだ。