今日は、昨日の栄枝くんのお話の続きです。
なぜ彼の話を思い出したかというと、先日、彼と久しぶりに電車内で会ったからです。
満員だった電車もだんだんと空いてきて、周りが見渡せるぐらいになったころ。
僕はとても見覚えのある、ブロッコリーによく似た特徴的な頭を見つけました。
一目で栄枝くんだとわかりました。
久しぶり、とでも言おうとしたとき、不自然な点に気がつきました。
あまり揺れのない電車の中で、そのブロッコリーもとい栄枝くんの頭は、規則的に上下していたのです。
気になって覗いてみると、確かに栄枝くんがいました。
何故か、つり革でけんすいをしながら。
「なにやってんの
」僕は思わず叫びかけました。
立派な高校生が、つり革にぶら下がって、必死の形相でけんすいをしている。
漫画なら、「ママ~。あのお兄ちゃんなにやってるの~?」
「見ちゃいけませんっ」
などという展開になること間違いなしです。
しかし、少し考えてから、僕は決断しました。
他人のフリをすることを。
あんな変人の友達と知られたら、僕の社会的地位が一気に墜落するでしょう。
そう思って知らん顔をしていた僕に、稀代の変人はすぐに気づき、あろうことか、
「久しぶり!元気?」
と話しかけてきました。(けんすいをしながら)
周りから向けられる冷たい視線。泣きそうになりました…(泣)


