さて。はやくも第6回です。
こちらの感想記事ですが、毎回、録画を見直してストーリーを追いながら書いていたのですが、回を追うごとに記事が長くなってしまっているので、今回からは記憶を頼りに、もうちょっとタイトにまとめたいと思います
前回の第5回なんて、自分でも読み返すのしんどいくらい長かった( ̄▽ ̄;)
今回は、頼朝が石橋山の戦いで敗れてから、安房まで逃げ延びるまでのお話でした。
大庭方の梶原景時は、洞窟にいる頼朝一行を見つけますが見て見ぬふりをして立ち去ります。
有名な「しとどの窟」のエピソードですね。
敵方の大庭の縁者であった梶原景時が、頼朝におおいに取り立てられたことから作られた創作とも言われている逸話ですが、「草燃える」「平清盛」に続き、本作でも採用されました。
本作の梶原景時は、クールで冷静な智謀家のように描かれているので、この時、頼朝を見逃したのも単なる情にかられての行動ではなさそうです。
今後、景時の考えがどのように明かされていくのか気になります。
時政と義時は、宗時の指示にしたがい甲斐源氏の武田信義のもとを訪ねます。
武田信玄の御先祖にあたる人ですね。
実際に石橋山の戦いで敗れた頼朝の配下のなかには、信義を頼って甲斐源氏の陣に合流した武将もいたようです。
信義は、
「真の源氏の棟梁は自分である。頼朝がそれを認めるのなら援軍を出そう」
と言います。
また、
「あくまで頼朝が武田の下につくつもりがないのなら力を貸すつもりはないが、北条家だけなら助けても良い。武田につく証として頼朝のもとから後白河法皇の院宣を持ち出して来い」
といいます。
時政はあっさりとこれを承諾します。
三谷さんは、困ったさんだけどめちゃめちゃ可愛い父上を書くのがうまいなあ。
昌幸パッパを彷彿とさせられるけど、昌幸パッパが知略に長けた策謀家タイプだったのに比べて、時政父上は実戦で戦うファイターとしての能力値がずば抜けて高いですね
武田の陣から戻る途中、敵に襲われて小四郎を守りつつ相手を次々と倒していく父上、カッコ良かったです!
でも、こういう武闘派の父上にとっては自分と同じように武芸に長けた宗時兄上は、頼もしい自慢の嫡男だったんだろうなあ……( ;∀;)
「もう心が折れた。伊豆山権現に行って、りくたちを連れ出してひっそり暮らそう」
と言い出す父上をなだめながら、頼朝のもとへと向かう途中、船を出そうとしている三浦の一党と出くわします。
氾濫で川が渡れず、やむなく三浦へ引き返す途中で畠山重忠の軍と遭い、心ならずも戦になってしまったという義村。
すぐに頼朝を連れてくるから待っていてくれという小四郎。
もうちゃっかり船に乗って、頼朝用にとってあったらしいおやつを勝手に食べてる時政父上が可愛い(≧∇≦)
坂東彌十郎さんの時政パッパは本当にキュートですね。
りくさんは何か狙いがあって北条家の後妻に入ったものだとばかり思っていたけど、案外、「しい様」のこういうところにりくさんの方もメロメロなのかも
小四郎たちが留守の間に、藤九郎に励まされて箱根権現を目指すことにした頼朝でしたが、そこまでの距離が25里と聞いてうんざり。
道中、敵兵が多く往生していたところに小四郎が駆けつけ、三浦の船の待つ岩浦の浜まで向かうことになりますが、その距離がまた25里。
このあたりはもう「鎌倉どうでしょう」のタグに使われるのを狙ってとしか思えない( ̄▽ ̄;)
ちなみに、この「25里」という距離。
Googleとかで普通に「1里って何㎞?」みたいに検索をかけると「約4㎞」という答えが出てくるので、「25×4=100……100㎞」とびっくりしてしまいますが、Twitterで詳しい方が解説して下さっていたところによると、この時の1里は約650m程度。
つまり、この場面での「25里=約16㎞」ということになります。
遠いことには変わりませんが、山中を徒歩で移動することを考えるとこの距離ならばまだ納得です(^^;)
伊豆山権現に政子たちを訪ねる八重さん。
何の用かと思えば、
「佐殿は必ずご無事でいらっしゃいます。何故なら私の夢枕に立ってそう仰ったから」
という愛されマウントをかますためΣ(゚д゚lll)
咄嗟に「私のところにも昨晩いらっしゃいましたよ」と返す政子。
もちろん嘘ですが、八重のところに明け方に来たというのを聞いて、自分のところには真夜中にきたといってマウントを取り返します。
とっさにサポートするりくさん、ナーイス(`・ω・´)b
八重さんが帰ったあと、水桶を蹴り飛ばす政子(;^ω^)
「ああーーーーーっ」って悲痛な声をあげる実衣ちゃん。
文句ばっかり言ってたけど、なんだかんだ一生懸命お掃除してたんでしょうね(^^;)
北条家の女性陣はなんだかんだと、このゴタゴタのなかで連帯感が出てきたというか「チーム北条!」という感じがいいですね
それと対比して、八重さんの孤独が強調されます。
文陽房覚淵に、三年前に伊東祐親がここへ連れてきた男の子に会わせて欲しいという八重。
覚淵は躊躇いますが、重ねて懇願されると八重についてくるようにと言います。
案内されたのは、草が生い茂る墓地の、五輪塔の前でした。
「ここへ来たときにはすでに骸となっておりました。川で溺れたとか……」
その言葉で八重はすべてを悟ります。
立派な墓は、父、伊東祐親からのたっての願いだということでした。
祐親のなかにも、愛娘の八重の生んだ千鶴丸を悼む気持ちがないわけではないことが分かります。
八重は墓を撫でさすりながら泣き崩れます。
切ない場面ですが、そこまで必死な思いでここを訪ねてきた八重さんが、千鶴丸に会うより先にあんなつまらないマウント合戦をするために、わざわざ政子を訪ねる?
何をおいてもまず千鶴丸の健やかな姿を確かめたいのが母心だと思うのですが……。
いつ家からの追手がかかって連れ戻されるかも分からないのに、随分悠長だな~と思いました。
文陽房さんも、北条から政子たちを預かっている立場なのに、敵方の伊東の娘だと分かっている八重さんをあっさり通すってどういうこと( ̄▽ ̄;)!?
訪ねて来られても、「いえ、北条家の御方はこちらにはおられません」って追い返すのが筋なのでは(-ω-;)
千鶴丸のお墓の場面は、本来なら泣ける場面なんでしょうが、正直ここまで八重さんがそれほど千鶴丸を愛していると感じられる場面がなかったせいか、あまりピンときませんでした。
尺がそこにそんなにとれないのは分かりますが……。
こういうのって時間の長さではないと思うんですよね。
例えば、浅野和之さん演じる伊東祐親は、終始厳しく、子や孫たちに接していますがその表情の端々から彼らを大切に想う気持ちがにじみ出ています。
八重が頼朝の挙兵を知らせた時の「でかしたぞ、八重」という祐親の表情には、愛情が滲んでいました。
今回、「頼朝を決して許さん」といった裏には、千鶴丸に続き、宗時の命まで奪わなければならなかった行き場のない悲しみが透けて見えていましたね。
「中の人」の新垣結衣さんがどうこういうのではないんです。
女優さんはとても素晴らしい演技をなさってると思います。
ただ、小四郎とあっても政子とあっても、頼朝本人とあっても千鶴丸のことをおくびにも出さずに「佐殿、佐殿」だったので、お墓で泣く場面も、「ああ、ガッキーの見せ場きたね」とか思ってしまいました(-_-;)
浜で頼朝を待っていた三浦の一党は、敵に襲われてやむなく船を出します。
到着した頼朝たちは無人の浜を見て唖然としますが、土肥実平の提案で真鶴岬に向かいそこから船で一路、安房を目指します。
「真田丸」の伊賀越えを思い出すドタバタ逃避行
その後の歴史を知っていても、「よくぞご無事で……」と思ってしまうような九死に一生体験でしたね。
安房に辿り着いた頼朝を「よくぞご無事で~」と満面の笑顔で迎える時政父上を見た小四郎の顔が
チベスナ( ̄▽ ̄;)
お調子者の父上ですが、互いの無事を喜びあう味方の賑わいのなかで、懸命になにげないふりをしながら、
「おい、だれか。三郎を見た者はいねえか」
と尋ねまわる姿が切なかった
……本当は父上もうっすら分かっているんですよね。
やがて、三浦の衣笠の館が攻め落とされたという知らせが入ります。
以下、ドラマでは登場しませんでしたが、「吾妻鏡」で語られている衣笠の戦いの場面から。
三浦氏は、本城である衣笠の館に籠城し、寄せ手である畠山重忠率いる軍勢と戦っていました。
劣勢となった三浦の惣領、義明(義村の祖父)は、嫡子義澄以下に向かって
「源氏累代の家人として、源氏再興を目の当たりにしこれほど喜ばしいことはない。わしはもう八十を超え、生い先長くない身だ。この老いぼれの命を佐殿のために投げうつことで、おまえたちの功績としたいと思う。
おまえたちはすぐにここを去り、佐殿をお探しせよ。
わしはここへ留まり、大軍がここへいると見せかけて敵を騙し、引き寄せておく」
といい、息子たちを去らせ、城を枕に討ち死にします。
この三浦義明は、『平清盛』にも登場していて、玉木宏さん演じる源義朝に仕えている場面が描かれています。
そう思うと、この「源氏再興を目の当たりにしてこれほど喜ばしいことはない」の台詞が泣ける!!
ちなみに義朝の長男、義平の生母は三浦義明の娘だと言われているので、義明さんはあの悪源太のお祖父ちゃんなんですね~。
勇猛なのは血筋か。
しかし八重VS政子の夢枕マウント合戦をやるくらいなら、この衣笠の戦いを一場面だけでも見たかったわ。
コロナのせいか予算のせいなのか。
宗時が取りに戻ったはずの観音像が北条館に残されていたことから、何が起こったのかと察する小四郎と時政。
「三郎の、ばか……っ」
っていう、父上の言葉にまた号泣(ノД`)・゜・。
「これからはおまえが北条を率いていくんだ」という父上の言葉に、泣きながら首を振った小四郎でしたが、もう戦はやめると言い出した頼朝を諫める場面では、これまでとはまったく違う、覚悟のみえる表情をしていました。
「平家の横暴に耐えてきた者たちの不満が、今、ひとつの塊になろうとしています。佐殿がおられなくても、我らは戦を続けます! そして、必ず平家の一味を、坂東から追い出す!!」
小四郎の後ろに宗時兄上の顔が見えたような気がしました。
この時の小栗旬さんの表情と演技が本当に素晴らしい
ほんの少し前、父上や佐殿に振り回されながら奔走していただけの「北条の次男坊」とはまったく違う、大人の男の顔になっていました。
米蔵の管理が性に合うと笑っていた人のいい少年が、今この瞬間、坂東に住むすべての武者たちの代弁者となったのです。
小四郎の言葉を聞いた頼朝の目にも火が灯ります。
「戯言を。おまえたちだけで何ができる。この戦を率いるのはわしだ。武田でもほかの誰でもない!!」
その姿は、やはり他の者にはない、源氏の嫡流だけが持つ威厳を放ち、輝いていました。
まとめ・感想
短めに……と思いながらも、結構長くなってしまいました
今回はとにかく、宗時兄上の不在が寂しく、父上と小四郎の悲しみが切ない回でした。
特に広間の真ん中に、仁王立ちして「誰か三郎を見たやつはいねえか?」っていう父上の、途方にくれた子どもみたいな感じ。
泣きたいのを我慢しているガキ大将みたいな表情に、本当に泣かされました。
ここ数回で、知らず知らずのうちに、父上や小四郎がどれだけ兄上を好きか、頼りにしているかが私たち視聴者にも伝わっていたんですね。
「これからどうしたらいいのか……」と途方にくれる気持ちが痛いほど伝わってきました。
善児はあのあと、兄上の首を獲っていったのね……当時の習わしからしたら当然のことなんだけど、やっぱり許せん~
伊東の爺様は自分が命じたこととはいえ、こんな下人に自慢の孫息子が首を獲られたことが不憫でならなかっただろうな。
そういうやるせのない気持ちのすべてが「頼朝憎し」という気持ちに集結していくのは分かるような気がします。
最後、チラッと顔見せしてくれた上総広常さん。
TLでは「芹沢鴨だ~」と「組!」クラスタの皆さんが喜んでいましたが、個人的には佐藤浩市さんが、久しぶりに見たらあまりにも三國連太郎さんに瓜二つ過ぎてびっくりしました(゚Д゚;)
いえ、親子なんだから似ているのはあたりまえなんですが。
顔に陰影がまして、ますます暗い色気がパワーアップされていましたね。
この広常さんと大泉さんの佐殿で、あの「去ね」のエピソードをやるのか……。
佐殿、頑張って!!