Down Town ～華麗なる舞台の裏側～

都市…そこは何不自由ない人類理想の街。

　　かつてここは、水辺の美しい城下町であった・・・遠い過去。

欲望の全てが飾られ、自由に生きる人々…。

華やいだ生活がそこにはあり、喧騒という新たな時代を思わせる。

僕は今、この眩い街の裏側を覗き込んだ。ファインダーに映る幻想を夢みて…。

そう、ここにはもうひとつの顔がある。取り残され街が…。

堕ちた喫茶にはかつて、くつろぎの空間があった…

ぽっかりと空いた隙間にも、きっと喧騒が存在していた。

今此所にあるのは、かろうじて闘い抜き、そして… 空虚な心に傷ついた戦士だけ。

圧し流される時間に疲れ果てたその姿にはもう、かつての栄華はない。

やがて此所も『無』に戻されるのだろうか。

華麗なる舞台の「影」となって…。