【ココアStory】
~まったりおうちデート
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『上司と秘密の2LDK』薫に癒される…♪
ココアみたいに優しくてスイートな、おうちデートストーリー
それはある天気が良い休日のこと…。
「はあ、気持ちのいいお天気だなあ…」
お日様がとっても暖かく心地が良いので、朝から布団を干した。
布団を眺めながら縁側に座っていると、なんだかここが特等席な気がして笑みがこぼれる。
(のんびりとした休日って感じがしていいなあ)
とは言え、ずっと布団を眺めているわけにもいかない。
(もうお昼過ぎだし、そろそろ取り込もうかな)
ゆるりと腰を上げて、物干し竿に近づいた。
「よいしょ、っと…」
(うわあ、結構重い…)
布団を抱えて、よろよろと縁側に向かう。
「ん…?」
急に布団がふわっと浮いたような気がして、後ろを振り返る。
見るとそこには…
「薫!」
薫
「力仕事なら、呼べばいいのに」
「本、読んでたみたいだったから…邪魔したら悪いかと思って」
薫
「布団持って、転ばれるほうが困る」
そう言うと、薫は縁側に布団を運び入れてくれた。
まだ干したままになっていた布団も、軽々と運んでいく薫。
(さすがだなあ…それに、さり気ない優しさが嬉しいな…)
感心していると、薫がこちらを振り向いた。
薫
「これで終わりだな」
「うん、ありがとう」
最後の布団を抱えて、縁側に向かう薫のあとをついていく。
薫
「気持ちよさそうだな、たま」 フッ
見ると、取り入れたばかりの布団の上でたまが寝転がっていた。
たま「ニャーオ」
「ひなたぼっこ中みたいだね。ふふっ、本当に気持ちよさそう。いいなあ」
薫
「…」
薫は持っていた布団を丁寧に縁側に置くと、すぐに自分もゴロリと横になった。
たま「ニャア」 ニー
気がついたたまが薫にすり寄る。
薫
「本当だ、気持ちいいな」
和やかな景色に、私は思わずふふっと笑みを漏らす。
薫
「○○も来い。すげー気持ち良いい」
「えっ、私は…」
まだやらなければいけない家事も残っているし、と断ろうとしたけれど、薫に腕を引っ張られ、そのまま布団に倒れ込む。
「わあ、ふわっふわだ…本当に気持ちいいね」
薫
「ああ、最高だな」
「がんばって干した甲斐があったよ」
薫
「サンキュ」 フッ
柔らかな布団はホカホカとしていて、お日様の匂いがした。
「今夜、寝るのが楽しみだね」
薫
「ああ…今からでも寝てしまいそうだ」
そう言うと、薫は布団の上で大きなあくびをした。
つられてあくびが出そうになった時、薫が私を抱き寄せた。
「もう、薫。このままだとほんとうに寝ちゃうでしょ?」
薫
「んー…」
甘えるように、私の首筋に顔を埋めた薫は、さらにぎゅうっと私を抱きしめた。
薫
「布団もいいけど、○○も良い匂いだな。 布団にまけないくらいふわふわだし…」
「ふぁ…」
(あ、またあくび)
「薫?」
薫
「んー…」
頷きながら、額にキスが落とされた。
(ふふ、この甘え方は、眠い時の薫だ…)
薫
「昼寝には…ちょうどいい時間だな…」
「薫、今朝寝坊してなかったっけ?」
薫
「そうだったか?…忘れた」
私の問いに答える薫の声はとてもふわふわとしたもので、今にも眠りに落ちてしまいそうに思えた。
(寝ちゃうのも時間の問題かな…)
そう思った私は、薫の腕の中からそっと抜け出す。
薫
「…○○、どこに行くんだ?」
「夕飯の支度してくる。このまま眠っちゃったら、起きた時にご飯がない!ってなっちゃうし」
薫
「別に夕飯は遅くても構わないけど」
「うーん、でも夕飯作ってからお昼寝した方がひと仕事した後のご褒美って感じがするし」
薫
「そうか…」
薫は少し考えたかと思うと、すぐにまた眠そうに目をこすって、傍にいるたまを撫でた。
(ふふ、薫もたまも気持ちよさそう)
(私もササッと夕飯の準備を終わらせてここに戻ってこよう!)
わずかに笑みを漏らして、私はキッチンへと向かった。
゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*:.。. .。.:*・
キッチンで1人、夕飯の支度をしていく。
(よしっ!こんなもんかな)
一通り支度を終えると、ホッと息をついて縁側のほうへと視線を移した。
その瞬間…
「きゃっ…っ!」
突然、目の前に白くて巨大な”何か”が現れた。
(ふ、不審者…!?それとも…おばけ!?)
思わず助けを呼ぼうとしたその時、白い物体がちょんっと私に触れた。
「!いや―…!」
???
「○○、オレだ」
「えっ」
白い物体からバッと何かが飛び出した。
「薫!?」
白い物体の正体は、薫が先ほどまで干していたシーツを被った姿だったらしい。
「び…びっくりしたあ…良かった、おばけじゃなくて…」
薫
「悪い。驚かすつもりはなかった」
「でも、怖かったのか?」
「う、ううん!ちょっと驚いただけ!」
薫
「ふーん」
ほっと胸をなで下ろす私を、薫がポンポンと撫でる。
「…と言うか、何をしてたの?シーツなんてかぶって…」
薫
「たまと遊んでた。こうすると…」
薫が再び、シーツをかぶると、たまがにゃあにゃあと言いながらシーツの裾にじゃれつく。
「そういうことだったのね」
薫
「ああ、○○を怖がらせるつもりはなかった」
「だから、怖がってなんて…あれ」
言いかけて、ふとシーツをじっと見る。
薫
「どうした?」
「ここ、穴が開いてる」
私の指差したあたり、ちょうどシーツをかぶっている薫の目元あたりにふたつ穴があった。
薫がするりとシーツを取ると、私に手渡した。
「薫?」
薫
「ちょっとトイレ」
そう言って、リビングをあとにする。
そんな薫の後ろ姿を見ながら私はある事を思いついた。
(あ…っ、そうだ!さっき驚かされた仕返し、しちゃおうかな)
私はいそいそとシーツを頭からかぶる。
(これで、薫を驚かしちゃおう)
少しウキウキしながら、薫が戻ってくるのを待った。
゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*:.。. .。.:*・
(そろそろかな…)
薫がこちらにやってくる足音が聞こえる。
私はシーツの中から扉の方をじっと見つめた。
(よしっ!今だ…!)
「わっ!」
薫
「…」
シーツをかぶった状態で、薫に飛びつく。
わくわくしながら薫の顔を覗きこむと…。
薫
「○○?」
薫はいたって平常心で私の名前を呼んだ。
(お、思ってた以上に全然驚いてくれない…!)
少しくらいなら驚いてくれるかな、と期待していただけにちょっぴり切ない気持ちになる。
(よ、よぉし…!)
ムキになった私は咄嗟にこんな言葉を発していた。
「よ、よ~く聞け~!○○は連れ去ったぞ!」
薫
「…」
(なんて…信じるワケないよね…)
自分で自分の演技に苦笑しながらも、ネタばらしをしようとシーツを脱ごうとした、その時…
薫がゆっくりと辺りを見渡した。
薫
「…○○はどこだ?」
(も、もしかして…私の悪ふざけに乗ってくれてる…?)
思わぬ薫の行動に、なんだか嬉しくなって私もノリノリでそれに応える。
「さあ、どこにいるかな~?」
薫
「○○を返せ!」
薫は真剣な表情でシーツの下に手を滑り込ませた。
「ひゃっ!」
薫
「どこだ、ここか?」
薫の手が私の体をなぞり、思わず声をあげる。
「ちょ…っ、○○はここにはいません!」
薫
「そうなのか…?」
「そ、そうなのです…」
(びっくりした…薫の手がいきなり入ってきたから、ちょっとドキドキしちゃった…)
薫
「どうやったら、○○を返してくれるんだ?」
真剣な様子で言う薫に頬が緩みつつも、どうしようかな…と考える。
薫
「頼む、○○を返してくれ、彼女は俺の大切な人なんだ」
(う…、悪ふざけとは言え、こう真剣に言われるとドキドキしちゃうな)
「そ、そうだな…キスとか…」
薫
「キス?」
「そう!キスをすれば、○○は戻ってきます」
(キスで戻ってくるなんて、ちょっとロマンチックだよね)
自分で考えた設定に1人満足していると、薫がズイッと私に近づいた。
薫
「…わかった」
(え…っ)
そのまま、シーツ越しに唇が重ねられる。
直接触れていないとはいえ、綺麗に重なったキスに心臓が跳ねる。
(わ…っ、びっくりした…)
ドキドキが止まらないまま、私はシーツを引っ張りゆっくりと顔をのぞかせた。
「薫…」
ゆっくりと視線を薫に向けると、薫は小さく微笑みかけてくれた。
薫
「おかえり、○○」
「…ただいま」
薫
「戻ってきてくれて良かった」
そう言ってもう一度、キスをしてくれる。
薫
「…縁側で昼寝でもするか」
「うん、いいかも…」
私は頷くと、薫は笑みを見せシーツごと私をぎゅっと抱きしめてくれるのだった。
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えー基本イケメンシリーズしかレポってなかったのですが…
ボルさんの恋cafeで、コインドロップだけコソーーーッとやっていましたら
2LDKの薫のお話がポロリと!!ヽ(*´∀`)ノ
なんか可愛いから載せたった!(・∀・)<シナ出にくいとか聞くし、お裾分け的な?w
たまが可愛かったしwww( ´艸`)
てか、薫!あのお化けはナイやろーwヒロインも天然過ぎて面白かったwww