帰りの電車に乗りながらも

汗が止まらなかった

 

一駅一駅停まるたびに アナウンスを聞き逃してはならなかった

 

隣に座る おばあさんは

一人なのに ちゃんと目的地への電車に乗っている

しかも 居眠りをしている

すごい 大先輩だ

 

皆が 落ち着いているかと言えばそうでもなくて

到着駅のアナウンスが聞こえて

ドアが閉まる瞬間に ぐあっと立ち上がって

電車を飛び出す人も 数人いた

 

空港が近づくごとに

乗り込んでくる人は

大きな トランクを持っている

そうだこの光景が 空港行きの電車なのだ

 

私はいつの間にか 外人さんに囲まれていた

大きな腕に タトゥーがびっしりの人もいれば

派手な ワンピースを着て トランクに片足を乗せたりしている

ちょっとお行儀悪い 白人のお嬢さん

とても真面目そうな メガネの 白人ボーイ

こんな人に囲まれて どうすればいいか 分からなかった

 

彼らは 空港ではなく 空港の前の駅のお寺みたいな名前の駅で降りている

まだ観光するのか すごい余裕だ

 

第一ターミナルまで来た 第一で降りてはならないのだ

私が降りるべきは第二ターミナル

 

色々あったが 便も一つ遅くなったが

とうとう空港に到着した

思えば 思い出をたどっている時も

反対の電車に気が付かず お気楽な時も

大失敗に おお焦りの時も

私の手のひらには PASMOちゃんがいた

この子のおかげで 切符に迷うこともなく

すいすい間違ったり すいすい戻ったりできたのだ

 

空港には 出発の2時間以上前に着いた

お土産を買う余裕も出た

 



飛行機の席を決めるときになって 知ったが

飛行機は あと数席しか残っていなかったのだ

 

運がいいのか悪いのか

ピンチを救う神様はいると思った

 

今回の 東京物語 私の世話をしてくれたのは

息子の友達だった 路線案内図も何通りも送ってくれたり

途中まで一緒に来てくれたり

 

迷ったことはその人に申し訳ない気持ちだった

 

これからも神様 ピンチの時は救ってください

お願いします。

 

オヤスミナサイ