ほんとはもう少し今なら整理してかけそうな気もするのだけれど

それではあの日、あの時をとらえたことにはならない

うれしさと感動とおどろきと戸惑い

あえて当日のリアルな言葉たちを出すことにする

 

********************

2022.6.26 FaoI静岡楽日

オープニングですでに鳥肌が立つ

彼はリンクに出たら

常に今この瞬間を抜かれてもOKという滑りをする

1つのジャンプ、1つの手の上げ下げ、ひとけりのスケーティング

すべてに心がこもっている音1つ1つを抱きしめて自分の中に取り込みそして放つ

彼にとってソロとか群舞とかオープニングとか

もはやそんな区別もないのかもしれない

自分が滑るときは常に1つの作品そんな意識なのかもしれない

ひとすべりに命を懸けているといってもいい

それがアップだとかスローだとかに限りはしない

彼を見ると心が魂が震える

彼からはこのひとときこのプロと心中しようとでもいうような

覚悟が伝わる気がする

一生懸命「演じて」いる人と

そのプロの中で「生きようとして」いる人の決定的な違いがある

演じている人は自分が残っている

彼の場合はそのときはそのプロの世界の人間になりきるというか

その世界の人として生きるのである

そしてその世界に見るものを呼び込むのである

 

まさか宮川さんが終わるのがさみしいと涙ながらに話すとは予想していなかった

明日目が覚めたら夢かも・・・と。

思わず涙を誘われる

アーティストとスケーターがともにあることによって

その音楽がより本物になるのではないかと心に深く刻まれる

 

第2部の始まり、席に戻ると彼が天井席に座って見え方を確認したとのエピソードの書き込みを思い出す

彼が1つ1つのステージにかける思いと責任の強さを改めてかみしめる

 

彼が位置につくとシンと会場が一瞬音が止まった

あたかも会場全体が一つの存在となり、そして息をのんだかのよう

そしてこれから始まる世界を見守るかのように

始まるといきなりパワー全開

圧倒的なエネルギーが束になって押し寄せる

リンク内を縦横無尽に飛び回る

一瞬も止まらない

どんどん畳みかける

音楽と彼の区別がつかない

どこからが宮川さんでどこからが彼なのか線が引けないありさまだ

彼という存在が音楽にさらなる輝きを与え、燦然と輝く

あっというまにレゾンの世界から現実に放り出された感が強く途方に暮れる

 

しかしいつものようにフィナーレに行かない

ナレーションはなく、会場は暗いまま

どこからともなく起こる手拍子

だんだん熱を帯び、必死になっていく

と、音楽が起こり、なんと”ステージ奥”から彼が現れる

衣装はレゾンのままだが明らかに世界が違う

ゆったりとたおやかさをたたえたような彼の動きがそれを表していた

だが心の中はさっきまでのレゾンが色濃くしめ

すぐには音楽が把握できない

なんだろう・・・

そんな頭の中とは関わりない

心が命令する、泣け・・・と。

身体は心に従う、涙がにじんでくる

アンコールが終わっても涙は終わらない

それどころかフィナーレになるとさらに止まらなくなっていく

 

フィナーレの彼、まるで力をすべて出し尽くしてしまったかのように

呆然としているような様子が見える

周回するときはいつもどおりふるまおうとしている

しかしいつもより動作はゆっくりな感じがする

ジャンプ大会、今日は彼は飛ばなかったあるいは最初からそう決めていたのかもしれない

スケーターのみんなをリンクサイドで一人一人迎えた後

「幸せでした!!」「またファンタジーオンアイスに来てください!!」「せーの、ありがとうございました!!!」

心からほんとに心のこもった言葉たちが彼から発せられた

ファンタジーオンアイス2022、リアルな時間は終了した

でも心の中にはいつまでも消えないあたたかい魔法が残された

 

 

ライブビューイング
地元だけど地元じゃない
体は地元にあるのに
心は空間と越えて現地と一体になれる
とてもありがたい空間

今日のカメラは彼を多く映してくださっており
彼も一瞬だが
ライブビューイングとCS を意識した目線をくれた
心配りの深さに涙が出そうになった

取り残されたような気持ちはなかった
地元にいながら
心は豊かだった