昨日はオペラの発声練習についての記事を書きましたが、今日はオペラつながりで、そもそもベルカント唱法って何だろう?と調べていたら、こんなサイトに出会いました。
発声の話で避けて通ることができないのがベルカント。そうなのか。
いきなり国立音楽大学の思い出話。ほほーこのブログの著者は音大卒なんですね。
「ベルカントって何ですか?」という質問か。
やっぱり音大生だと知っていて常識だからこそ、気まずい雰囲気になったんでしょうか。
でも、実はこの質問にはっきりと答えられる人はほとんどいなかったのではないかと著者は思っているらしい。えっ!?
やっぱりオペラの世界って「つもり」が多いのかな?だから、ベルカントも分かった「つもり」になって、「なんであんな初歩的な質問するんだよ」的な反応になったのかな?
うーむ。大学からこれじゃあ相当闇が深そうですね。
初歩的な質問かもしれないけど、はっきりと答えられる人が少ないのであれば、その質問は有意義な質問だとは思うけどね。
ベルカントとは何か?直訳すると「美しい歌」だそうです。ふーん。
ポップスとは無縁な感じですね。でもオペラなら美しくてもいいですよね。
音楽様式としてのベルカント。ほう。そんなものがあるのか。
専門的な用語が多くてよく分からないけど、まあ、そんな音楽があるのね。
中には小文字のベルカントと大文字のベルカントという派閥があるのだとか。かなり複雑そうです。
そのベルカントも時代とともにヴェリズモオペラになったそう。よく分からないけど。
そして、お目当ての歌唱法としてのベルカント。ベルカント唱法ですね。
なんと、人によって言っている、思っていることがバラバラだとか。えー!?
どうしてそうなったかの説明が次にあります。なんでも、ベルカントというのは歌が上手い人の共通している良い部分だそう。
ここでいう「歌が上手い」というのは、もちろんオペラでの「歌が上手い」です。ポップス関係ないからね。
で、ベルカント唱法を教える側の人が「ベルカントで歌う事こそが最も大切だ」と発言していたのだとか。
その影響でみんな必死になってベルカント唱法を学ぼうとするが、やっぱり難しすぎたのか、ベルカント唱法の技術を体得できた人は少なかったそう。
あーあれですね。
ボイストレーナーは医者以上の能力が必要的なことを過去に書いたけど、なんかそれに似てますね。
やっぱりこのアプローチだと難しいから、必然的に能力の高い人しか生き残れないんですね。きびしー
だから、ほとんどの声楽家はベルカント唱法の技術までたどり着けず、ベルカントとは何なのかを語るようになったのだとか。
で、それが伝言ゲームのようになっていき、意味がバラバラになったのだとか。
というのも、歌唱技術って感覚的だから、どうしても言葉で表現できないんですよね。
だったら、実演すれば手っ取り早いんだけど、まだその技術が無いから実演できない。
そうやって技術が無い声楽家達がベルカントという言葉を広めていったんですね。できもしないモノを広めようとするからできた「つもり」になっちゃうんだね。
そこで最初に戻る。「ベルカントって何ですか?」という質問。以上の背景を理解していれば、これは実に鋭い質問だった。というわけですね。気まずい雰囲気作った奴反省しろ
次でいくらなんでもここで終わりはひどい。ということで著者なりにベルカント唱法を定義しています。
一番重要となるのが喉の位置。喉仏下げて歌えってやつですか。たしかに、これがあるからこそ、オペラっぽい声になるんですね。たしかに理に適っている気がします。
喉の位置と書いていますが、喉の奥を広げるというアレです。あくびの喉とかいうやつ。なぜかこの方法がポップスでも指導されているという謎。
で、この喉の奥を広げるにはどうするかというと、首の筋肉を使い、高音になってきたら呼吸の筋肉を使うそうです。ふーん。
まあ、ポップスには関係ないですね。ポップスだと、喉の位置よりもっと重要なことがありそうです。いや、あるはずです。
具体的な話はまた今度。いや、ベルカント唱法が何なのか分かっただけで十分です。
次は著者の主張。ベルカントって人によって違うから、こんな言葉使う必要無いよ。っていうやつ。なんだかDr.Hに主張が似ています。オペラ版Dr.Hというか。
ベルカントという言葉の意味を教えるのではなく、どうすればいいかを教えるのが大事。本当にそうですね。
いや、そうしないと歌上手くならないでしょう。歌は知識じゃないからね。
どの筋肉でどんな練習をしてそれらの筋肉を鍛えられるかのところですが、内視鏡とかで見えるようにするとなお良いかと思います。実際に練習で筋肉が鍛えられるところを見せられると、生徒さんも安心して練習ができます。
うん。すごく分かりやすいし、良いこと書いてありますね。色々な疑問が解決しそうです。
実際、kissmusicでも「ポップスのボイストレーナーさんのベルカント唱法とは分けて下さい」と書いていますね。
これもベルカントという言葉が独り歩きした弊害っぽいですね。
リードさんの主張するベルカントと他の人が主張するベルカントは違うので、分けて下さいと。で、なぜかリードさんのベルカントがポップスで使われているということなんですよね。
結局、本当のベルカントというのは、音楽様式としてのベルカントでしょうね。ここから(オペラの)歌が上手い人の共通点をベルカントと名付けて(まぎらわしい)、んでそれが超難しくて手に負えなくなって、実演できないけどベルカントというものがあるよーみたいに感覚を言葉で表そうとして、色々ごっちゃになって、人それぞれベルカントが何を指すのかがバラバラになった。ということですね。
もちろん、こんなもの、全く毛色の異なるポップスに使ったらダメに決まっているし、オペラだとしても、そのベルカントがいったい何を指すのかを明らかにしないと生徒と先生で行き違いが生じてしまいます。
だからこそ、ベルカントという言葉は使うなというのがこのブログの著者の意見でした。まぎらわしいですからね。
なんて素晴らしいブログに出会えたんだろう。やっぱりちゃんとオペラ勉強した国立音楽大学卒の人は違うなあ。と思っていたら、これって、なんと、あの車田さんのブログでした!一番上に車田和寿って書いてあるじゃん、気づけよ
まさかの車田さん!
いやー本当、車田さんはすごいよ。
ということで
この動画で復習しましょう。
2日連続でクラシック関係の記事書いたけど、夏夫は門外漢です。夏夫はポップス側の人間です。
でも、クラシックでどうやっているんだろう?と気になるじゃないですか。知っておいて損はないですからね。少し勉強しておきました。