この一年、メンタルや心理の本ばかり読んでいた。
読むたびに、少しずつ霧が晴れていくような気がした。
けれど同時に、深い水の底に引き込まれていくような感覚もあった。
調べれば調べるほど、言葉が頭から離れなくなり、
心のどこかがいつも、ざらついていた。
そんなとき、ふと目に留まったエッセイを手に取った。
特別な理由はなかった。ただ、なんとなく気になったから。
読みはじめてすぐ、ああ、と思った。
私はこういう文章が、ずっと好きだったんだ。
学校の勉強はあまり好きじゃなかったけれど、
本を読むのは好きだった。
日々のひとコマや、小さな気持ちをすくい上げるような言葉たち。
そういうものに、心がほっとする。
そのことを思い出したら、少しだけ、うれしくなった。
あの頃の私は、たしかにまだ不器用で、
親の価値観のなかに埋もれて生きていたけれど、
それでも今より、ほんの少しだけ、自分に近かった気がする。