老老介護の終わり
老老介護の終わりオレゴンに引っ越してきてから、22年。すぐに参加した合唱団とその後に移籍した別の合唱団で長らく一緒に歌ったメンバーのひとりの死を数日前にニュース記事で読んだ。パンデミックがはじまる少し前に年齢的にも歌い続けることが難しくなったということで退団した人だったけれどそれまで、何かと団員のことを世話してくれた人でみんなから親しまれていた。で、その後のパンデミックで、個人の生活はもちろん合唱団の活動もかなりの制限をうけたせいで退団したメンバーのことまで、気がまわらないと、いうのが、現実だったけど、人づてにメールでニュース記事がまわってきて愕然とする。うちの合唱団は、一般合唱団だけどメンバーの平均年齢がめっちゃ高い。退団した彼も80代だった。ニュース記事には、日頃から体調を崩しがちだった彼と彼がケアを続けてきた認知症の奥さんが家の中で、銃で撃たれて亡くなっていたのが発見されたと、いうものだった。警察検証では、外部に容疑者を探してはいない、という。記事の写真のなかの、彼の家の玄関にはお悔やみの花束が備えられていた。美しい佇まいの一軒家だった。でも、それは外から見ただけの姿だったのか。こんな形で、(もと)メンバーを送り出すことになるなんて思いもしなかった。だれも、そこまで、彼が追い詰められていたと、知る由もなかった?彼も助けをもとめなかった?こどもはいないらしい。ご近所さんとは、とても、うまくいっていたと、記事にはあるけど、うまくいっていたとしてもこういう結末なのか、となんだか、とても虚しかった。(いや、ご近所さんのせいではなくて)記事には、彼が奥さんをとても大事にしていたとも書かれてある。なので、ひとりにできなかったのだろう、と察せられる。わたしに何かできたか?いや、彼はすでにいないのだ。「もし」、なんて、いまさらすぎる。プライバシーを大事にするアメリカだから余計に踏み込めないところもあるし。嫌がられてもいいから、もっと、おせっかいババアになる?これは、いわゆる、「話にきいていた」老老介護だ。これまでも、普通に、あちこちで、耳にしたし悲しい結末を新聞記事やテレビで見たことも多々ある。でも、これまでは、なんだか別世界の話感、満載だったわたし。夫に話したら、「よくあることだよ」で会話が終わってしまった。わたしは、夫に何って言って欲しかったのだろう。パンデミックは、内向性性格のわたしにとって家にこもる格好の理由になったしわく未接種者のわたしを、周囲も相手にしなかったので好都合だった、、、、、けど。一緒に歌った仲間のひとりの最後をこんな形で知って何かしなくちゃ、ってあれこれあせる前に日々の生活のなかでどんなふうに他人と関わっていくのか改めて見直しを!そして、まずは、お悔やみを。Elderly couple found shot dead in Beaumont-Wilshire were ‘joined at the hip,’ neighbor saysThe elderly couple had lived on Northeast Alameda Street for almost 40 years.www.oregonlive.com