こんにちは。
今回は、勤務先を退職したときなどに支給される退職手当金等ついて説明をします。
(退職手当金、功労金などを総称して退職手当金「等」としています)
『3年の重要性』ブログで相続税の分野として紹介をしましたが、所得税も関係するため、まずは2つの税金について簡単に述べておきます。
(1)所得税
「本人」が得た利益(所得)に対して課される税金
(2)相続税
個人(相続人等)が「被相続人」から相続等によって財産を取得した場合に課される税金
退職手当金等の支給を受ける場面は主に以下の2通りが考えられ、それぞれ次のように課税されます。
(1)定年退職(途中退職)により退職手当金等の支給を受けた場合
退職者「本人」が勤務先から支給を受けているため所得税(退職所得)が課されます(所得税法第30条)。
(2)死亡退職により相続人等が退職手当金等の支給を受けた場合
本来「被相続人」が受け取るべき退職手当金等を代わりに相続人等が受け取ったと考え、(厳密には勤務先
からの支給ですが)個人が被相続人から財産を取得したものと「みなして」相続税を課することとしています(相
続税法第3条)。
例えば、死亡した夫の退職手当金等を配偶者である妻が受け取る場合です。
被相続人の財産と「みなして」課税されるため、(被相続人の固有財産と区別して)この退職手当金等を「み
なし相続財産」と言ったりもします。
退職手当金等は、本人の老後や残された相続人の生活保障に重要なものであるため、(1)の退職所得が課税される場合でも(2)の相続税が課税される場合でも、税務上とても優遇されています。
例えば、勤続30年の場合、(1)の場合では1,500万円までは税額が発生しません。
(2)の場合では、500万円×相続人の数(相続の放棄等はないものとします)までが非課税となっています(例えば、相続人が3人の場合には1,500万円)。
今回のテーマでは、ここまでが重要と考えているのですが、『3年』が影響するものとして退職手当金等の「支給確定」について少し触れたいと思います。
生前退職でも死亡退職でも退職手当金等を支給するには勤務先企業の決定が必要で、特に死亡退職の場合には突然に訪れることもありすぐに支給されるとは限りません。
死亡退職により相続税が課税される場合は「被相続人の死亡後3年以内に支給が確定したもの」となっており、ここでいう「支給が確定」とは、支給する退職手当金等の「金額」が3年以内に確定している必要があり、支給される「時期」とは無関係だとされています。
つまり、被相続人の死亡後3年以内に〇〇万円の退職手当金等を支給するという企業の決定があれば相続税により課税されるということです。
死亡後3年を超えて支給が確定した場合には相続税での課税ではなく、かといって退職所得ともならず、一時所得という所得税課税になってしまい、退職所得と比べると税務上の優遇が薄れてしまいます。
支給の確定が3年を超えた場合には、相続税でも退職所得でもないという点だけご理解頂ければと思います。
(1)3年以内に支給が確定したもの
(2)3年を超えて支給が確定したもの