こんにちは。

 

上場株式等の配当金などの配当所得がある場合についてです。

 

この時期は確定申告書の作成に追われていて所得税の最終税額ばかりに気を取られがちですが、個人(自営業者)が納める税金には、所得税の他に住民税や国民健康保険税など(以下、「住民税等」と言います)もあります。

 

所得税、住民税等総合的に考えて節税になるのが望ましいですよね。

 

通常、所得税の計算をする際にはその所得ごとに決められた課税方式があります。

 

①総合課税は、各種の所得を合計して税額を計算する課税方式です。

  事業所得、不動産所得、給与所得、配当所得などがこれに該当し、所得が高いほど税率が上がる超過累進税

  率が適用されます。

②申告分離課税は、一定の所得について他の所得と合計せず、分離して税額を計算する課税方式です。

  例えば、土地、建物、株式等を譲渡した場合には他の所得とは区別し、その譲渡所得に一定の税率を乗じて

  税額を計算します。

  上場株式等の譲渡損失があり配当所得と損益通算をしたい場合にもこの申告分離課税を選択します。

③申告不要は、配当所得等について源泉徴収だけで済ませる課税方式です。

 

①、②、③のすべてに「配当所得」があるとおり、配当所得については課税方式を選択することができます。

 

3つの課税方式が認められているということは、それは選択の仕方によって有利不利が生じることを意味します。

(計算方法がそれぞれ異なるわけですから、最も有利な課税方式を選択すべきと言えます)

 

配当所得がある方は、この点について留意する必要があります。

 

一方、住民税等は所得税とはそもそも計算過程が違いますので、所得税で有利であると選択したその課税方式が、同じように住民税等で有利になるとは限りません。

 

これまで配当所得については、所得税と住民税で同じ課税方式を選択しなければならないとされてきましたが、平成29年度の税制改正により「所得税と住民税は異なる課税方式を選択できる」ことが明文化されました。

(国民健康保険税は住民税と同じ所得金額をベースに計算しますので、この改正は保険税についても影響があります)

 

つまり、配当所得で認められている3つの課税方式のうち、所得税の計算で有利な方式、住民税等の計算で有利な方式を組み合わせることがベストということになります。

 

私見ですが、株式の譲渡損失がなく課税所得もさほど高くない方(一般的には695万円以下とされています)であれば所得税については①、住民税等については③を選択するのが有利ではと考えています。

(あくまで一般論であり配偶者控除、扶養控除等の判定にも影響が出るので、しっかりシミュレーションはするようにしています)

 

配当所得に限らず株式の譲渡益がある場合にも同様の検討が必要です。

 

注意点としては、確定申告書を税務署に提出するとそれがそのまま住民税等の計算の基礎となってしまうので、所得税と住民税等で異なる課税方式を選択したい場合には、市区町村に対して意思表示をする必要があります。

 

詳しくはお住いの市役所等にお尋ね下さい。

(下記の参考には新宿区の例を載せています)

 

参考:配当所得(国税庁HP タックスアンサーN0.1330)

    上場株式等の配当等に係る申告分離課税制度(国税庁HP タックスアンサーN0.1331)

    上場株式等の配当所得等及び譲渡所得に係る課税方式の選択について(新宿区HP)