今回は天鳳のイベント「天鳳名人戦」、日本プロ麻雀協会の対局配信「しゃるうぃ~てんほう」及び私のフリーの成績について見ていきたいと思います。

 

この2つのイベントでは天鳳のトッププレイヤーや麻雀のプロの方々が、天鳳のルールで麻雀を打ちます。

プロの実力については、情報が少ない為に客観的に評価することが困難です。

天鳳には多くのプレイヤーが残した記録がありますので、プロがそのルールで打つことによって多少は参考になるのではないかと思います。

 

ルールの詳細は以下のリンクを参照してください。

天鳳名人戦:http://tenhou.net/cs/2017/07tm/

しゃるうぃ~てんほう:http://npm2001.com/channel/index.html

 

では各着順の平均点を見ていきましょう。

 

 

イベントの試合数が少ない関係で若干差が大きくなっていますが、全体的な傾向は前回と同じで、1位と4位の点数の大きさに差は無いようです。

鳳凰卓との比較でも、4位の点数は名人戦・しゃるうぃ~てんほう共に誤差レベルの差になっています。

各着順の点数を見る限り、両方のイベントとも上級・特上卓ではなく鳳凰卓レベルの試合が行われている様です。

 

さて、ここまでの結果について皆さんはどの様な感想をお持ちでしょうか?

 

麻雀プロの実力は、謎に包まれています。

ただでさえ麻雀は偶然の影響が大きく、実力が結果に反映しにくいゲームであるのに、ルールも参加資格も異なる複数のプロ団体が存在し、異なる団体に所属している人同士の実力は比較の仕様がありません。

分らないが故に麻雀の相当な実力があったとしても、懐疑的な目で見られる事も多々あったのだろうと思います。

たとえ英語が堪能でも履歴書に「英語が得意」と書くだけでは駄目で、例えば英検準1級やTOEIC800点など比較できる情報がないと社会的な信用は得られません。

そんな事は分っていても、どうしようもない状況が長く続いていたと思います。

 

しかし近年情報化が進み、データを利用して正確に判断しようという試みがあらゆる分野で行われ、麻雀においてもデータによって様々なことが明らかになってきました。

それが麻雀の世界にとってプラスに働くのか、それともマイナスに働くのか私には分りませんが、その方向性自体はこれからも変わらないだろうと思います。

 

プロの方々が参加されている今回の結果を見て、妥当だと思う人、良い意味でも悪い意味でも意外だと思う人、様々な感想を持つ人がいることでしょう。

この先今回の様な結果の積み重ねによって、データに裏付けられた本当に麻雀の実力のある人が、正当な評価を受けられるようになることを願っています。

 

最後に、私のフリーの成績から集計した各着順の平均得点を表の一番下に載せていますので参考までに。

2018年1月末に、情報解析やシミュレーション等の手法を用いて科学的な観点から麻雀を研究されているみーにんさんに、お話とデータをいただきまして、ゲーム終了時の順位別平均持ち点によるルール・面子の比較を私が行うことになりました。

今回この記事では、麻雀のルールやメンツの違いが各順位の点数にどの様な影響を与えるのか、見ていきたいと思います。

 

比較するルールは以下の通りです。

 

私のデータはリアルのものです。詳細は以下の記事をご覧ください。

https://ameblo.jp/nasubi06/entry-12163891269.html

 

では最初に天鳳の卓別比較から見ていきましょう。

 

みーにんさんから各平均点と標準偏差のデータをいただきましたが、見やすさを考慮して平均点のみ載せています。

各点数は平均持ち点から原点の点数を引いた得失点です。

 

このデータから、次の二つのことが見て取れます。

 ・卓が上がるにつれて、平均点は小さくなっていく。

 ・1位と4位の点数の大きさ(絶対値)に差がない。

 

1つ目について、上位の卓ほどロースコアの試合が多くなっていると言えそうです。

点数がゼロサムの麻雀では、各順位の平均持ち点が小さくなると順位間の点差が小さくなりますので、より点数の競った状況が増える事になると思われます。

もちろん上位の卓でも断トツのトップやラスができる場合が度々あるので実感するのは難しいかもしれませんが、点数が競った状況での適切な判断力は卓が上がるにつれ重要になるだろうと思います。

 

2つ目については、実は個人的には意外な結果でした。

なぜなら天鳳ではラスに非常に大きなマイナスの順位点がついており、プレイヤーはラスを引かない事を最優先に考えます。

そのことが最終的な持ち点に影響を与えるだろうと思っていたのですが、どうやらそういうことはないようです。

ラスを引くときは、トップのときに得た点数と平均的に同じだけの量を失っている事になります。

 

以前とつげき東北さんが東風荘における終了時の持ち点と順位率の関係について雑誌の連載で発表されています。


(「とつげき東北麻雀戦術論考!第41回 順位と得点」より抜粋)

 

東風荘では誰かが30000点を超えないとゲームが終了しないため、その点数付近にトビがありますが、西入のある天鳳でも同様になると思われます。

グラフが原点(27000点)を中心に綺麗な対称になっています。

これは東風荘ではRateによる評価が中心で、特定の着順に大きなポイントが付かないルールであることに起因している可能性がありました。

 

今回天鳳の結果を見ると、ラスに大きなマイナスポイントの付くルールがプレイヤーの打ち方に影響を与えたとしても、各順位の持ち点に影響を与えてはいませんでした。

そうであるならば、もしトップに大きなポイントが付く一般的な麻雀のルールにおいて同様な結果になったとしても、不自然な結果では無いと思います。

平均順位が評価に全く関係しないような特殊なルールではどうか解りませんが、天鳳とフリー麻雀とのルール差程度では、点数と順位の関係において大した差ではないのかもしれません。

 

さて次回は、天鳳名人戦としゃるうぃ~てんほうについて見ていきたいと思います。

 

2018/02/22追記

みーにんさんのご好意で、天鳳鳳凰卓における持ち点と順位率の関係についてのデータをいただきましたのでこちらに掲載します。

 

 

先にあげた東風荘のデータと見比べても、グラフの形が綺麗に一致していますね。

書き忘れていたのですが、東風荘のデータは東風戦のものです。

ちょうど4万点持っていても、5回に1回はトップじゃないのですね、恐ろしい(笑)

鳳凰卓533ゲーム目にして6段に落ちました。

 

今年残り500pt.から始めて、途中2300pt.程度までいったものの、その後一気にポイントを失い、降段することになりました。

 

残念ですが、また鳳凰卓を目指して地道にがんばりたいと思います。

 

折角ですので、化野500ゲームとクマド(東風用ID)1000ゲームの比較した表を載せておきます。