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CORESKILLSの梨本です。

プラットフォームでの販売でも自社ネットショップでの販売でも、1商品あたりの利益計算を正確に行うことはとても大切だ。
各種手数料やそれに加算される消費税など考慮して価格設定をしないと意図した利益が残らなかったり、薄利多売のつもりが赤字を積み上げているだけだったら目も当てられない。

ちょうど年も明けたということで、2016年1月1日時点での利益計算式を確認してみよう。

■amazon.co.jpマーケットプレイス
今、出品している人が最も多いであろうamazon、昨年も販売手数料の値上げや販売手数料に消費税が課税されるようになるなど、変更点を見逃していないか改めて確認を。

・基本成約料
 小口出品の契約の場合、1注文あたり100円が必要。

販売手数料
 商品カテゴリごとに6%、6.5%、8%、10%、15%、20%、45%、または50円と意外に種類が多く、商品によってはある日突然カテゴリが変更され販売手数料率が増減していることがあるので、普段から定期的に確認するよう業務フローに組み込みたいところ。また、この販売手数料には8%の消費税が課税されるようになったので、それも考慮して計算しなければならない。

カテゴリー成約料
 メディア系商品にのみ1注文あたり30円、60円、140円がかかる。また海外発送の場合、120円、250円、300円、350円、400円、450円、500円、600円がそれぞれ必要。

・FBA出荷作業手数料
 FBA在庫の場合、77円、87円、99円、525円、567円、603円、1250円がかかる。

・FBA発送重量手数料
 FBA在庫の場合、57円、85円、166円、228円がかかる。また標準サイズの商品で2kgを超える場合、1kgあたり6円が加算される。商品ごとに微妙に異なる場合が多く突然変更されることも少なくないので、FBA料金シミュレーターやペイメントレポートで定期的に確認するよう業務フローに組み込みたい。

上記を踏まえて、利益計算式をおこしてみると

例:仕入原価5000円のアパレル商品(販売手数料15%、出荷作業手数料99円、発送重量手数料228円)をFBA在庫で10000円で販売した場合

10000 - ( 10000 × 0.15 × 1.08 ) - 99 - 228 - 5000 = 3053

販売価格10000円に対して3053円の利益となる。
※Excelなどで数式化する場合、括弧の部分はROUND関数で小数点以下を四捨五入するとより正確な金額にできる。


では逆に仕入原価を元に指定した利益額が得られるように販売価格を決定したい場合はどういう式になるだろうか。

10000 - ( 10000 × 0.15 × 1.08 ) - 99 - 228 - 5000 = 3053

10000 × ( 1 - ( 0.15 × 1.08 ) ) - 99 - 228 - 5000 = 3053

10000 × ( 1 - ( 0.15 × 1.08 ) ) = 3053 + 99 + 228 + 5000

10000 = ( 3053 + 99 + 228 + 5000 ) ÷ ( 1 - ( 0.15 × 1.08 ) )

3053の部分を利益額に、5000の部分を仕入原価にすると販売価格を算出できる。
例えば利益3000円、仕入原価10000円なら、15903円で販売。

15903 = ( 3000 + 99 + 228 + 10000 ) ÷ ( 1 - ( 0.15 × 1.08 ) )


さらに汎用化して、指定した利益率が得られるように販売価格を決定したい場合はどういう式になるだろうか。
販売価格10000円に対して3053円の利益、30.53%の利益率とするなら

( 10000 - ( 10000 × 0.15 × 1.08 ) - 99 - 228 - 5000 ) ÷ 10000 = 0.3053

( 10000 × ( 1 - ( 0.15 × 1.08 ) ) - 99 - 228 - 5000 ) ÷ 10000 = 0.3053

( 1 - ( 0.15 × 1.08 ) ) + ( ( - 99 - 228 - 5000 ) ÷ 10000 ) = 0.3053

( - 99 - 228 - 5000 ) ÷ 10000 = 0.3053 - ( 1 - ( 0.15 × 1.08 ) )

10000 = ( - 99 - 228 - 5000 ) ÷ ( 0.3053 - ( 1 - ( 0.15 × 1.08 ) ) )

0.3053の部分を利益率に、5000の部分を仕入原価にすると販売価格を算出できる。
例えば利益率35%、仕入原価7980円なら、17023円で販売。

17023 = ( - 99 - 228 - 7980 ) ÷ ( 0.35 - ( 1 - ( 0.15 × 1.08 ) ) )


いずれも中学で習う「等式の変形」(通分、移行、両辺を逆数)だけで求めることができる。
使わないと思っていた学校の勉強がこんな場面で役に立つ。

長くなったのでYahoo!ショッピングやPayPal決済のネットショップなどの計算式はまたの機会に。

なお、先日ご紹介した物販コミュニティ「BUPPAN!!」では、上記の数式を予め入力したExcelテンプレートを配布予定。
本日いよいよ先行申込価格が終了するので迷っている人はぜひ。