学内バイトで知り合った先輩おすすめの1冊

辻村深月さんの『子どもたちは夜と遊ぶ』

始まりは、海外留学をかけた論文コンクール。
幻の学生、『i』の登場だった。

大学受験間近の高校3年生が行方不明になった。
家出か事件か。世間が騒ぐ中、
木村浅葱だけはその真相を知っていた。
「『i』はとてもうまくやった。
さあ、次は、俺の番――」。
姿の見えない『i』に会うために、
ゲームを始める浅葱。
孤独の闇に支配された子どもたちが招く事件は
さらなる悲劇を呼んでいく。


読了したのが春休みということで
期間が随分と空いてしまっているため
あらすじは講談社文庫よりお借りしました↑

上下巻かなりのボリュームで構成されている
この作品なのですが
やはり読み進めているとあっという間でした。
後半一気に伏線が回収されていくこともあって
読み応えもかなりあります。
後味も悪くはない作品です。

天才肌の浅葱と努力の孤塚
2人を嘲笑うかのように現れた幻の学生 i 
浅葱はiが何者なのか突き止めようと
メールを通じてiとやりとりを交わすのですが
iが提示して来た条件は
ターゲットと殺し方を互いに
暗号で指定した殺人ゲームでした。

鮮やかに、かつどんどん残虐性を増す
iの殺人に応えるように
持ち前の頭のキレから浅葱もまた次々と
iからの挑戦状をこなしていくのですが
次第に浅葱は
精神的に追い詰められていきます。

その違和感に少しずつ気付き始める
孤塚をはじめとした大学の同期たち

ターゲットはついに浅葱や孤塚の近くまで

悲劇が悲劇を呼ぶといいますか
心に余裕がある時に読まないと
参ってしまいそうな、結構重めな内容な
気がします。1人で抱えて良い事なんて
やっぱり何もないけれど
過去や生い立ちは、その壁を取っ払うには
あまりにも手強いのだなと痛感しました。

「人間てのは、大好きな人が最低一人は
 絶対に必要で、それを巻き込んでいないと
 駄目なんだ。
 そうでないと歯止めがかからない」

浅葱が絶望に暮れている時に一緒にいた
とある同期の言葉です。
その存在に気付けるか、向き合えるかどうかで
人間は大きく変わるということが
ストーリーも相まって
当時の自分には特に刺さりまくりました(笑)

自分が盲目故にその存在を失う事ほど
惨いことはないと
ずっと逃げてきたことから
向き合う決心ができた1冊でもあります。

お時間と心にある程度ゆとりがある方はぜひ

​講談社文庫



ちょうど1年前に知り合った先輩2人は
出会った当初から優しくて親切で
バイト期間中はもちろん
それがなくなってからも何度か飲みに行って
腹を割った話をしてくれたり
時々連絡を取ってくれたりします。
これまで先輩という人種とは
無縁の人生だった自分にとって
友達みたいに気軽に接することができる彼らは
本当に貴重な存在です。

そしてこの本を読んでいる時に浮かんだ
自分にとっての盲目の天使は
何気ない日々にたくさんの幸せを与えてくれています。
先のことを思うと考えるところもありますが
それ以上にかけがえのないものを、大切なことを教えて
くれて生活が明るくなっていると思うので
向き合えて良かったなと思います。

週明けから本格的に授業が再開します。
まだ友達作るの諦めてないので頑張りたいと思います(笑)
とても長くなってしまいましたが
ここまで読んでいただきありがとうございました!
季節の変わり目、体調にはお気をつけください〜