文芸部時代の作品の中で
唯一納得出来た作品を載せてみます。
この作品は私の心の支えになっている
amazarashiの曲をもとに作成しました。

高校時代に作成したものなので
文章が拙いのですが
良ければ曲だけでも聴いてみてください




エンディングテーマ 再編

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らそうなこといってりしてごめん、ほんとにぼくがいいたいことばつまり、ぼくのなかでいきているぼぬがあいしたものたちみたいにあなたのなかでいきていたちよ
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地球滅亡の日
颯人は8年付き合っていた渚への想いを
電波に乗せた。
新年を迎える間近の寒い夜の出来事だった。
 
颯人が地球滅亡を知ったのは数時間前、
亡き祖父の言葉からだった。

青い空に広大な草原、そして目の前には
数年前他界したはずの祖父の姿があった。
どうやらここは夢の中らしい。
穏やかな状況とは裏腹に
突拍子もないことを言い出した。

「あと3時間もすれば地球は闇に飲まれ滅亡する」

久しぶりに会えたのに
それはないぜと呆れ顔の孫に、
祖父は静かに語り始めた。

「冗談などではない。これは事実なんだ
 急な話で悪いが真面目に聞いてくれ」

現世では確認されていないが
地球はおろか太陽をも飲み込む
ブラックホールの発生により
地球が危ない、との事だった。

「……100歩譲って今の話を理解した事にする  よ。でも残念ながら
 俺には何もできないよ爺さん」

「お前の力があれば
 この危機を救えるから言っておるのだ」

「駄目だ、それは流石に理解できない!」

颯人は逃げようとしたが
すぐに動きを止められた。
夢の中では圧倒的に不利だった。

「わしが息を引き取る前に
 お前に先祖代々受け継がれてきた力を
 託したのだ。その力を持っている
 お前が眠りについた時、闇は晴れる」

「……そんな事、どうやって信じろって言うんだ。 そもそも力って何だよ、滅亡するって何だよ」

「だから無理に力を発揮しろとは言わん。
 いずれにせよお前は亡命する運命だからな」

静寂の中、祖父は再び語り始めた。
颯人の家系は昔から命と引き換えに
地球を守ってきたこと。
今回は颯人の番であるのだと。
颯人は半ば信じられずにいたが
過去の滅亡の予言日と
父の命日が重なっている事に気付き
小さく頷いた。

「事情は分かった。
 どうせ死ぬなら地球を救ってからにするよ」

「よくぞ言ってくれた。……すまない。
 早速じゃがやってくれるか?」

祖父は颯人の説得に1時間ほどかかったため
早々と支度をしようとする。

「いやいや爺さん、少しで良いんだ、
 一度現世に戻してほしい」

「そんなに時間は取れんぞ?急いでな」

颯人は一呼吸置いてから確認した。

「俺が力ってやつを発揮したら
 俺以外は確実に助かるんだよな?」

「勿論だとも。そこは保証しよう」

視界は霧に包まれた。

次に目に入ったのは見慣れた天井だった。
颯人はすぐさま携帯に飛びつき
震える指で渚へ電話した。
しかし、何度かけても渚には繋がらない。
昨日から、2人は喧嘩していたのだ。

「頼むよ、出てくれよ……」

時間は刻一刻と過ぎる。
颯人は仕方なく電話は諦め
メールを打つ事にした。
打っては消し、打っては消しの繰り返しで、
こんなことならプロポーズしとけば良かった
なんて、そもそも何だこの運命、
と様々な気持ちがループし
何が何だか分からなくなりかけた。

「急げ颯人!もう時間が無いぞ」

年越しまで残り数分というところで
颯人の耳に祖父の声が届いた。
颯人は僅かな言葉を渚に残し、
最後に母親に一言伝えた。

「お母さんありがとう。いってきます」
「あら、出かけるの?寒いから気をつけてね」

母は不思議そうに微笑んだ。
この力に関して知っている者は
どうやら相当少ないらしい。
颯人は込み上げてくるものをなんとか抑え
再び眠りについた。
時計は23時57分を過ぎていた。
 
「爺さん、俺は何をすればいい?」 

とても穏やかな草原で再び2人は向かい合った。

「ここに来てくれただけで良いんじゃよ。
 お前は地球を救ったのだ」

「そうか……はぁ、
 俺の人生は最後まで呆気無かったって訳だ」

「お前は十分な事を成し遂げた。
 これを見てくれ」

祖父は孫に小さなカセットテープを手渡した。
タイトルには颯人の名前がある。

動けずにいる孫の手から本体を抜き取り
いつの間にか用意されていたDVDプレイヤーに
差し込むとすぐに画面が動き始めた。

家族、友人、同級生、同僚、
小学校・中学校・高校・大学の先生
見覚えのある名前が次々と流れてくる

そこには、すぐに顔が浮かぶ人もいれば
そうでない人の名前もあった。とにかく沢山
たくさんの名前が上へ上へ流れていく
それはまるで映画のエンドロールのように
ただ途切れる事なく流れ続けた

「颯人、いい人達に恵まれたな」

最後に現れた名前に
颯人の視界は一瞬にして光に包まれた。
もう何も見えない。
 
颯人の力により地球は無事、新しい年を迎えた。
そして恋人の元に
颯人からのメッセージが届いた。

「何これ……なんか見た事あるフレーズだな」

思わず笑った渚は颯人に電話をかけた。