甲状腺乳頭癌の手術を受けたのは

2020年7月20日のことで

あれから、4ヵ月が経とうとしています。

 

術後1ヶ月目。

声がまだ殆ど出てない状態でした。

それでも、まだ日が浅いという事で

声帯の手術を行うかの判断は出来ないと

先生に言われました。

 

体の調子はというと、

手術跡が突っ張る感じや

少し痛む感じがあったので、

洗濯を干す時や寝返りをうつ時など

首の角度が変わる時や、

ずっと同じ角度で居る時は、大変でした。

 

スマホで1~2時間ゲームしている事が

多かった私ですが、

30分か1時間くらいしてると、もう

首がしんどくてダメでした。

 

食べたり飲んだりは、たまに咽るくらいでしたが

喉の中に何か詰まってるような感覚と

夜中にオエーーーっと飛び起きる事が

何度もあったので、夜寝る時は

ベッドに、1杯のお茶を持って行ってました。

 

手術跡周りも、だいぶ腫れていて

「マンガのキャラクターかっっ」と思うような

大げさな描写のたらこ唇のようになってました。

 

テープかぶれが酷かったので

先生がヒルドイドを処方してくださるようになりました。

 

声があまり出なかったり、甲高いので

1人でお買い物に行くのは、苦痛でした。

7月からちょうど、どこに買い物に行っても

「レジ袋は?」と聞かれるじゃないですか・・・。

喋れない人、聞こえない人、あの接客は

可哀想だなー・・・と思いました。

 

私が、何故こんな声なのか

何故声が殆ど出てないのか

その理由や経緯を知ってる人なら

理解してくれてるから良いんだけど、

 

声が出なかったから、コンビニの店員さんに

首を縦や横に振って無言で返事をすると

「・・・・?」と不思議そうに見られたので

それが苦痛で、

スーパーでは店員さんと

言葉を発してやり取りをしたのですが

変な声になっちゃってるから

クスっと嫌な笑い方をされて・・・

「社会復帰出来るのかな・・・」と不安が強かったです。

 

片側の反回神経麻痺で、こんなダメージあるの・・・?

日常生活は、取り戻せないの・・・・?

「若いほうが楽」「比較的易しい癌」って

聞いたり見たりしてきたけど、

癌はやっぱり、癌じゃん・・・・。

そんな思いで、肩身が狭いような

背水の陣のような、寂しいような

そんな日々でした。

 

でも、家事も何もかも

いつもどおりに頑張ってました。

 

 

あと、一部切除したほうの

反回神経の、神経痛もありました。

耳の後ろ側と、鎖骨あたりで

冷たい物を飲んだりすると余計

痛んだことがありました。

 

 

 

術後2ヶ月目。

 

声量は、術後1ヶ月目あたりに比べると

少し出てましたが、甲高いのは相変わらず。

「ねぇ!素で、King Gnuの白日が歌えるよ!笑」

な~んて、前向きに考えて歌ってみせたりしましたが

音程のコントロールは未だに難しいので

所々で「出してるはずなのに、出ない」

 

先生に「歌えなくなる」って聞いてたけど

こういう事なんだ、って思い知りました・・・。

 

喉に何かが詰まってる感覚は相変わらずありましたが

手術跡の腫れは完全になくなりました。

触ったら、中のほうがちょっと固いかな?

っていう感じです。

 

鼻から通すカメラで声帯を見たら

麻痺してる右の声帯に

左の声帯が斜めに寄り添うようになっていて

先生は、声の状態も含めて

「回復が早いですね!」と驚いてました。

早いかどうかは、私は

他の人と比べられたことがないから

分からないんだけど・・・

何十人も何百人も見てきた先生が

そう言うんだから、嬉しかったです。

 

お買い物は、1人でも行けるような

精神状態になりました。

ちょっと、この声に慣れてきた。

スーパーのセルフレジが、こんな形で

ありがたく感じるなんて。

 

休職中のバイト先の店長や

お義母さんに

「こんな声になっちゃったんですよ~」と

あはは~(^^;)と話すと

「可愛い声じゃん。笑」と言われて

印象は悪く無さそうだった事もあって

前向きに考えられるようになりました。

 

 

 

術後3ヶ月目。

 

急に、声量がよく出て

声質も以前の地声に近いような瞬間が

週に1度だけ、急に訪れて急に終わる事が続きました。

 

でも、それを何度も繰り返して一喜一憂。

旦那は「地声に近い声が、そのうち

出せるようになるんじゃないかな?」

と期待していましたが、

私は、期待しないことにしました。

 

私「声がもしこのままだったら、嫌・・・?

前の声と、今の声、どっちのほうが良い・・・?」

と、聞くと

旦那「今の声も可愛いから好きだよ。

なんていうかね、ソフトな声で高めで可愛いから

悪口言っても悪口に聞こえなさそう。笑」

と、言うので・・・・

 

私「旦那のバーカバーカバーカ

加齢臭のワキガ臭の脇染み野朗に

歯石溜りがち民~~。やーいやーい('ω')ww」

と、試しに言ってみると・・・

 

旦那「ま、事実やし(・ω・)w」

 

えぇ・・・声関係なかったじゃん・・・。

 

術後3ヶ月目の通院でも

声の状態については先生が

また驚かれていました。

「基礎体力が高い」と言われました。

 

 

それから、地声にちょっと近いね!!?

という声が出る時間や機会が

ちょっとずつ増えてきました。

 

調子が良いと

「声が枯れてるね?風邪引いたの?」と言われるか

殆ど気付かれない事もあったり。

 

 

 

そんな感じで、ちょっとずつ良くなってます。

投薬は、チラーヂンSのみです。

放射性ヨード療法っていうのかな?

そういうのは特にやってません。

 

他の人のブログを読むと、

術後1ヶ月で復職した人など様々でしたが

私は、11月初旬から復職予定です。

とは言っても、最初は1日3時間とか

短時間の勤務で・・・・

元々が週2勤務だったのが

週1勤務になるのですが・・・・

好きな仕事だから、何時間でも

あそこで働けるのは嬉しいです。

 

 

 

術後4ヵ月目を迎えようとしていますが

酷く咳き込んだり、

抱き枕や毛布で喉元を押さえてしまってたら、

声が一時的に殆ど出なくなる事はありつつ・・・

それでも

術後1~2ヶ月目の頃のように

声が変わってしまったせいで

1人で買い物に行ける自信がない・・・

という事はなくなりました。

 

喉に何か詰まってるような異物感や

首を真上や真下に向けた時に

オエーーーとなる感覚は、まだあります。

 

変わってしまった声は

かなり慣れてしまって

「私の地声ってどんなのだったっけ?!」

と思って、

うちで飼ってるインコたちに

話しかけながら撮ってる動画を見て

「そうだったそうだった、こんな声じゃったのぅ・・・」

と、浦島太郎状態です。

 

歌も、だいぶ歌えるようになりましたが

それでも、

術前を100%とすると

今はまだ70%くらいです。

 

一応、音楽関係の学校に通ってたので・・・・

当時使っていた「コールユーブンゲン」を

本棚から出してきて

ピアノで音程を取りながら、歌ったりして

セルフで、声のリハビリもずっとやってます。

バッハの小フーガ ト短調とか・・・

声のリハビリには

「めっちゃ良いやん!!!

バッハ最高かよ!!!」と歓喜して、

料理しながらドレミで歌いました。

 

 

 

この病気になったからにはねー・・・

一生、通院は続くのですが

ポジティブで、前向きに考えて

焦らず、何も責めず、現実と向き合って

これからも過ごしていこうと思います。