「お金はエネルギー、循環させて流れを止めないでね!」
お金の仕組みを学んでいると、スピリチュアルを交えた理論が数多く出てきます。
僕自身はスピリチュアルやエネルギーに詳しいわけではないですが、会社を10年以上運営してきた身でもあり、スピ系の考えはそこまで信用していません。
一方で
「成功してる人ほど、お金の流れが見えてるんだよね」
みたいな発言を、自分より遥かにレベルの高い経営者さんから耳にすることもあります。
起業の世界における「お金の流れ」とスピリチュアルにおける「お金のエネルギー循環」はすごく近い気がしますし、無視できる要素でもないと思っています。
そこで今回は、「経営」「スピリチュアル」「心理学」3つの視点をもとに、お金の循環の仕組みを言語化できる範囲で解説します。
前提:お金はエネルギー循環で返ってくる理論
浅いスピリチュアル理解で論じるのもアレですが、お金のエネルギー循環の理論は以下のようなものが多いかと思います。
・お金はエネルギーである
・エネルギーは出さないと入ってこない
・良いエネルギーのところにお金は集まる
・だから良いエネルギーでお金を使う
・するとお金の循環の中に入りお金に困らなくなる
「だからお金の循環を信頼して、安心してお金を使えば豊かになれるよ」
引き寄せの法則とセットで語られがちな理論です。
確かにお金を使えば入ってくるなら最高だし、実際に成功事例を紹介している人も多いことから、学んでみる価値は十分ありそうです。
でも僕のように、少しひねくれた人間はこう思ってしまいます。
「エネルギーってなんやねん」
「お金使ったら無くなるだけでは?」
「どういう根拠でお金が戻って来るの?」
ちなみに僕の理解は以下です。
・「お金はエネルギー循環、使えば返ってくる」は部分的に正しい
・心理学とスピリチュアルが混ざって理論を複雑にしている
・その結果、お金や時間だけ浪費する人が出てきてしまっている
心理学的とスピリチュアルの「お金の循環」を切り分ける
まずスピリチュアル的な「お金の循環」を論じる時、「お金を使うときの波動」といったワードが出てきます。
正直、波動と言われてもどうやったら合格点に達するのか分からないのですが、「お金を使う感情がお金に影響を与える」ことは心理学的には正しいです。
というのも僕らは「自分が思っている事は相手も思っているに違いない」と考える特性を持っており、これによってお金を使う/受け取る際のハードルが変わります。
・「払いたくないなぁ...」と思ってお金を使う人
この手の人は相手からお金を受け取る時に「相手もすごくイヤな気持ちでお金払ってるんだろうな」と奪ってる感覚になります。
それは元をたどれば「すごく大変な思いをしてお金を得ているから」であり、汗と涙の結晶だからこそ、握りしめて離したくないんです。
「私が!こんなに苦労して!!必死で貯めたお金を払うんだから!!私からお金を受け取る以上!!全力で私に良いサービスを提供するのが当然よね!!!」
という気持ちでお金を使うから、サービスへの不満や後悔を抱きやすい。
すると自分が何かしらの商品を売るときに、「相手もそう思っているに違いない」と思ってしまうから、仕事がとんでもなく苦しく、お金を受け取ることも拒否感が出がちです。
・お金をラクに稼いでいるor仕事が楽しい人
信じられないかもしれませんが、世の中にはこういう人種もそれなりにいます。
ラクというのは必ずしも労働時間や責任の重さの話だけではなく、自分にとって楽しいか、人間関係は良好か、やりがいがあるか等で決まります。
こういう人たちは「お金は苦労の対価」という感覚が薄いから、お金にネバネバした感情を持っておらず、使うときももらうときもフラットです。
つまり心理学的に言えば、
「まずはお金をラクに使えているか」
がお金をラクに使い、ラクにもらう上でプラスに働くわけです。
(あとで詳しく触れますが、「お金を使った際にいかに喜びを見出すか?」というトレーニングをすることでもお金への執着は軽減できます。
お金を使う/もらうのに罪悪感が大きい人は、まずはお金の循環とかエネルギーとかは忘れて、「お金を得る/お金を使う」ことに対して少しでも喜びポイントを見つけましょう。
お金の循環の仕組みを詳しく解説
お金の循環を理解することは、
「視座を高くしてお金の流れを見る」
ことです。
僕らはお金を受け取る/支払う時に、自分の財布からいくら減ったか、自分の財布にいくら増えたかしか気にしないことが大半ですよね。
でも、払ったお金は消えるわけじゃありません。
仮にあなたが近所のパン屋さんで250円のメロンパンを買ったら、その250円はパン屋の店主さんのもとへ移動するだけです。
そしてパン屋の店主はその250円で、今日1日の疲れを癒やすビールを1本買えるかもしれないし、駄菓子屋さんで子どもに普段より大きいお菓子を買ってあげられるかもしれない。
さらに駄菓子屋さんは250円受け取って...と循環するわけです。
自分の財布を移動するお金だけではなく、それらのお金がどこから来て、どこへ出ていくのかを想像することで、「お金の循環や流れを見る」ことができます。
お金の循環や流れが分かって何になるのか?
自分の財布を移動する以外のお金が見えるようになるのは分かったけど、それがお金に恵まれることとどう関係するの?
ここがポイントです。
お金の循環を信頼するとか、良いエネルギーでお金を使うとかじゃなくて、「前後のお金の流れをイメージできると、損得計算が極限まで上手くなる」ってことです。
気持ちよくお金を使うとか。
相手のために喜んでお金を使うとか。
そんなものは一切気にしなくてOKです。
視座を上げてお金の流れを見ると、目先の損得に縛られず、より長期的な目線で自分が一番得をする選択肢を選べるようになる。
それが他人から見ると、「目先の損得で動いてない、レベル高い人」に見えるだけであって、ある意味他の人より計算高くなるだけです。
地元のパン屋 VS 街中の有名パン屋
では、「視座を高くしてお金の循環を追えるようになる」と具体的にどのようなメリットが生まれるのかを見ていきましょう。
あなたの家の近所にパン屋さんがあるとします。
また、街まで脚を伸ばせばテレビでも取り上げられるような有名なパン屋があり、2店舗とも250円でメロンパンを売っているとします。
距離の違いはあるにせよ、金額が同じなら有名なパン屋で買ったほうがお得では...?と僕らは考えがちですよね。
これは「自分の財布を移動するお金」だけを見ている状態です。
というのも、地元のパン屋さんを利用しない状況が続けば、地元のパン屋さんは潰れてしまうかもしれません。
・単純に経営が厳しくなった
・近所の知り合いも有名パン屋へ行ってしまい自信を失った
・個数が出なくなったことで仕入れ値も上がった
などなど理由は様々ですし、あなた1人が買い支えてどうなるものでもないかもしれません。
けど地元のパン屋さんが無くなることは、あなたにとって少なからず損失ですよね。
・すぐにパンを食べたい時にいける場所がなくなった
・パン屋さんと近所付き合いがあっても、閉店で引っ越してしまうかも
・パン屋が無くなることで周囲の店の売上も減る
・それによって税収ダウン&地域の公共サービスが下がるかも...
むしろ地元のパン屋さんを買い支えることで、「お得意さんになってサービスを受けられる」「近所付き合いによる助け合いができる」などのメリットもあります。
例えばお互いに小さな子どもが居るなら、たまに預け合うこともできるし、使わなくなった子ども用品などを貸し借りもできるし、金銭面でも何かと有利になりそうですよね。
こういった点を踏まえた時、
「地元のパン屋をもうちょっと使おうかな?」
と思わないでしょうか?
別にどちらか1つを選ぶとか、地元を支援するのが正解って話ではなく、「長い目で見た時にどちらが自分にとって得か?」を考えられるわけですね。
さっきも話した通り、「身を削って誰かに尽くす」訳じゃなくて、「お金の循環を先まで見ていったら、結果的には目先の損失をとるほうが良いこともある」という視点を持てるようになるだけです。
お金=エネルギー循環も間違いではない?
先程のパン屋さんの例だと、自分が使った現金がわかりやすく現金で戻ってくるわけではありません。
・売上→税金→行政サービスとして還元される
・お得意さんになって割引されることで還元される
・近所付き合いによる人的資本として還元される
直接の値引きやおまけなどが貰えれば、パン屋さんに払ったお金がパン屋さんから還元されるようなもので、比較的分かりやすいですよね。
でも、行政サービスとして還元されるのは今の時代イメージがしづらい。
(特に大都市に住んでいる人ほど)
また、人的資本(友人がいることによる人生の幸福度の上昇や、お互いに助け合うことで金銭的負担を減らせるなど)としての還元も、直接的なお金ではありません。
自分がお金を使うことで、何らかの形で自分にプラスに返ってくる。
お金がいろいろな形に姿を変えて自分の元に戻ってくる...スピリチュアル系の人は、それをエネルギーと呼んでいるのかもしれません。
(ただ、お金の視座を高くしないと「人的資本の形で戻ってきた!」とか現金以外の形で戻ってきた場合、そもそも認識できないんじゃないかとは思います)
お金のエネルギー循環で豊かになる!の注意点
ここまで見てきて分かる通り、「お金のエネルギー循環」は、見る視点や捉え方によっては正しい部分もあります。
だからこそスピリチュアル的な「お金のエネルギー循環」を実践する人は、以下のようなフレーズに注意してください。
注意フレーズ1:お金の循環を信じられていない&良いエネルギーじゃない
注意フレーズ2:先にお金を出さないと入ってこない
注意フレーズ3:お金を使う金額が足りない
注意フレーズ4:お金の循環を止めてはいけない
今から1つ1つ解説していきますが、マジメな人ほどドツボにハマって時間とお金をゴッソリ持っていかれる、なんて悲劇が起こりやすいので。
注意フレーズ1:お金の循環を信じられていない&良いエネルギーじゃない
これって要は「もっと修行して信心を深めるのです。そのためにはお布施を〜」と言ってるカルト宗教と変わりません。
理論で説明してくれるなら問題ないですが、「循環を信じて使えば大丈夫!」と繰り返すだけ人は詐欺師か、たぶん詳しく理解してないです。
注意フレーズ2:先にお金を出さないと入ってこない
先に誰かに価値を提供する必要があるのは間違いないです。
仕事だって価値提供するからお金がもらえるわけだし、「相手に何らかの価値を与えるから、自分のもとにお金が入ってくる」というのが数少ない信用できるお金の法則です。
でも、それは当然ながら「お金」である必要はまったくないし、お金を先に出さないと行けないなら、お金がない人はどうするんだって話になります。
注意フレーズ3:お金を使う金額が足りない
この発言をするメンターや指導者は危険なので離れたほうが良いです。「あなたがお金が無いのは、上手くお金を使えていないからです。なのに、さらにお金を使わないという選択をするんですか?もっと大きなお金を使って循環させないと入ってこないですよ!」
これはもう悪魔の発言です。
スピリチュアルに限らず起業の世界でも「上手く行ってないんだから、もっとお金使って装備を整えろ&自分を追い込め」的な人がいますが、この理論で上手くいくのは全体の0.5割くらいです。
しかもそれは、「お金でギリギリまで追い込まれた結果、火事場の馬鹿力でうまくいった」だけでお金の循環とは無関係です。
注意フレーズ4:お金の循環を止めてはいけない
「常に誰かに価値を提供し続けなければお金は入ってこない」ということであれば、これは間違ってないです。「良い気分でお金を使い、良い気分でお金を受け取るべき(そう努力すべき)」ということであれば、これも間違ってないです。
でも、「出費をし続けないとお金が入ってこなくなる」みたいに思ったら、それは間違いなく赤信号です。
貯金がガッツリ減って、「しかも、振り返るとあんまり欲しくないものにお金使ったな...」となるので、本当に欲しいもの以外にはお金を使わないでください。
誰から、どんな形で自分のもとへお金が循環するか?
お金の循環を信じてお金を使いましょう、って美しい言葉だと思います。実際、今の日本経済が失われ続けているのも、みんなが自分の財布だけを見て、ギュッと力をこめてお金を離すまいと保管しているからです。
でも、お金の循環って闇雲にお金を使うわけではなく、
「誰から、どんな形で自分にお金が戻ってくるのか?」
をイメージする力を鍛えることです。
(どんな形で戻ってくるかを総称して、エネルギーと言うこともできるかもしれません)
例えば僕はこうしてブログ記事を書いているわけですが、この文章がどういう流れを経て自分にお金をもたらしてくれるかを想像できています。
逆にこれが想像できていないと、ブログやSNSを投稿してもなんとなく作業しただけで、結局お金にはならず徒労感や無力感だけが募っていきます。
そのためには日頃から
「自分の財布に入っているお金はどんな冒険をしてきたのか?」
「自分が使ったお金はどこへ流れるのか?」
をイメージする練習をしてみてください!
するとお金へのありがたみも強く感じられるようになるし、支払う時の喜びも増幅するしで、より一層お金に恵まれやすい体質になるのは間違いないので。


