どうも、ラプクルです。
いままでなにやってたかというと、小説かいてました。
Orphan sniper
とある戦場
「こりゃ酷いな。」
男は一人、ある街の戦場に訪れていた。
壁という壁には弾痕が残り、人の気配がしない。
男は無数にある家の中の一つに足を踏み入れた。
中はめちゃくちゃで、人が住んでいた面影すらなく、住める状況でもなさそうだった。
奥に入っていくと物音が聞こえた。
(なんだ?)
奥に進んで行くごとにその音は大きくなり、グチョグチャネチョリという音が耳にまとわりついてくる。
音はどうやら、このドアの先から聞こえてくるが、不意にその音が止まって、ドサリという音が聞こえてきた。
ドアを開けて中に入るとそこには少女とその子の母親と思われる女性が横たわっていた。
男はすぐ助けたかったが、すぐには動けなかった。
原因の一つは、その母親の腹や腕が抉れていたこと。
もう一つは…横たわっている少女の口周りが血だらけだったことだった。
母親はもうとっくに腐っており、少女の方はガリガリに痩せ細っていた。
(可哀想に)
男は少女を抱いて家を後にした。
(こ…ここは…?)
アリスはベットから起き上がる。
今の自分の状況を確認する。
私はアリス・フォード、歳は…15だったかな?えーと、あとは…。…思い出せない。
思い出そうとすると頭が痛む。
部屋は何もなく、ベットと机が有るだけだ。
静かに起き上がり窓の外を確認する。
住宅地という訳でもなさそうだ。すぐそばに木が生い茂っている。
私は近くに置いてあった髪留めをとると、金髪の髪を束ねる。
そういえばお腹が空いた。
腹ごしらえをすべく、ドアに向かう。
キッチンか何か有るかもしれない。
ドアノブに手をかけて軽く捻ってみが、鍵は掛かってなかったみたいだ。
…って何を考えてるんだ私は。
ドアを開けるとそこはリビングだった。
ソファーにテレビ、テーブルが置いてある。
結構キレイな家だな。
そう考えていたその時
「起きたのか、体調はもう大丈夫なのか?」
背後から突然声をかけられ、アリスはビクッと肩を震わす。
「お、お腹空いた…」
「向こうのテーブルに用意してあるぞ。」
テーブルの上には確かに料理が沢山並んでいる。
どれもこれも美味しそうだ。
「さあ、ご飯にしよう。」
男はアリスを椅子に座らせ、料理を勧めた。
アリスは恐る恐る料理に手をつける。
(美味しい)
まるでろくにご飯を食べてなかったみたいに、全身が入ってきた料理を歓迎していた。
「口に合って良かった。突然だが一つ謝ろう。お前の記憶を一部、消させてもらった。余りにも残酷な記憶だったからな。」
アリスは聞きながら、黙々と食事を続ける。
「今からのお前の選択肢だが、孤児院に行くか、俺のもとで働くかだ。孤児院に行けばいちよう、お前の生活は保証される。だが辛く厳しいものになるだろう。俺のもとで働く場合は、仕事をすれば給料が貰えるし、何より人の役に立つやりがいがある仕事だ。」
なぜこの男はこんなに話を急いでいるのだろう?
アリスは食事をしながら考える。
(仕事か…私に出来るのかな)
「あの、仕事を見学させて貰っていいですか?」
「ああ構わない。
というか今から仕事だ。
手伝ってもらっていいか?」
「はい」
男は食器をキッチンに置いてくると、大きなバックを持って「こっちだ」と声をかけてくる。
いくとそこはクローゼットだった。
「これ着とけ。」
女性用の作業着と黒いチョッキだった。
「着替えたら呼んでくれ。」
といって男は部屋を出て行く。
アリスは作業着に着替えていく。機能性の高い服だが、ファッション性も良く、作業着と黒いチョッキが、いい雰囲気を醸し出していた。
「終わりました。」
男が部屋に入ってくる。
男も同じ様な格好をしていたが、男のほうが2倍ぐらいゴツイかった。
「よし、じゃあ車に乗れ。」
アリスは男の後について車に乗る。座席は二つしかなく、後ろはすべて荷台になっていた。
「そういえばまだ名前を聞いてなかったな。俺はイム・ヤクジという。」
「私はアリスです。アリス・フォード。」
「そうか…アリス今日の仕事は街に入ろうとする武装トラックの足止めだ。」
武装?足止め?………!!!大丈夫なのだろうか?ということはこれは…
「ああそれは防弾チョッキだ。ライフルぐらいじゃ穴は開かないぞ。」
孤児院のほうが良かったかな…
荒れた戦地に着くとばかり思っていたが、着いた場所は山だった。
「ここら辺、道無いけど…」
今自分達が通ってきた道以外はこの辺りには道が無く、遠くに見える道一本だけだ。
「ああ、ここからあの通りを狙う。トラックのタイヤを狙ってな。」
…あの道まで軽く1.5キロはあるだろう。
届いても狙えるはずがない。
イムはバックを開けると長細いスナイパーライフルを取り出した。銃身がスラリと長く、支えるための脚がついていた。
「これ着けとけ。」
それは耳当てだった。
「うるさいからな。」
そういうと男はライフルのマガジンに弾を込め始める。
マガジンに一発一発細長い弾を込めていく。
予備マガジンもあるらしく、5つぐらいのマガジンが男の横に並んでいて、イムはマガジンの一つを掴んで手でもて遊んでアリスに「弾を込めないか?」と聞いた。
「まあ、やってみようかな。」
マガジンを手にし、弾薬を手にする。
男が教えてくれる通りにマガジンに弾をセットしていった。
慣れると以外に面白く、気が付いたら私は夢中になって弾を込めていた。
男は私の手つきが良かったのか、感心していた。
「おっと、やって来たか。」
先ほどの道に点がちらりと見える。
あのタイヤを狙撃などできるはずがない。
イムが望遠鏡を手渡してきた。
さっきの点がトラックだとわかるぐらいの距離まで見える。
不意に先頭のトラックが止まった。
隣で爆音が起きる。
耳当てで爆音はかなり小さくはなっているが、それでもかなりの音だ。
先頭が止まったため、後ろのトラックも止まっていく。
先頭のトラックに乗っていた人が様子を見にトラックから降りてきた。
横ではイムが次々に弾丸を撃っていく。
後ろに止まったトラックのタイヤに穴が開いていった。
この距離でタイヤに当てるのは難しい筈なのだが、イムは正確にタイヤに当てていった。
突然先頭のトラックのタイヤが火花を上げる。
外した!
出てきていた人々はようやく狙撃されていることに気づいたようだ。
それでもイムは構わずライフルの引き鉄を引き続けていた。
突如、先頭のトラックのタイヤが音を立てて外れる。
ボルトを狙撃して、タイヤを外していたのだ。
次々にトラックからタイヤが外れていった。
トラックは全部で4台いたのだが、こちら側から狙える8つのタイヤは瞬く間に外されていった。当然片方だけのタイヤが外されるので、トラックは倒れこむ様に傾き、片側が完全に地面に接触してしまってジョッキが車の下に入れないようになっていた。
これで完全にトラックが無効果されたようだ。
どうやらこれで仕事は終わったようで、イムは後片付けを始めていた。
長い銃身を外し、別々にしてカバンに詰めていく。
弾薬のケースも車にしまい終わると車に乗り込む。
アリスは慌てて車に乗り込んだ。
「あの、さっきのトラックはあの後どうなるんですか?」
男は少し考えたのち、こう答える。
「知らん!」
考えて出た結果がそれだったのだろうか?
まさか3文字で返されるとは思っても見なかった。
「あ、あの…私にこの仕事を教えて下さい。マガジンに弾を込めている時、イムさんがライフルを撃っている時、物凄く胸が踊ったのを覚えています。この仕事をやりたいんです。お願いします。」
「やれやれ、やっぱり昔も今も変わらないか。わかった、いいだろう。」
「やったー、ありがとうございます。私頑張ります、師匠。」
車を出しながら師匠はどこかに電話をかける。
「よし、なら今日はよく寝て、狙撃の練習は明日からだ。」
アリスは仕事の前に練習があることを知って、少し安心した。
練習があるなら、何も問題ないだろうと思っていた。