Adept・Mentor 島津成晃の語録

Adept・Mentor 島津成晃の語録

仕事を始めてからずっと毎月書き続けている語録を公開しています。

 日本の新年度は四月から始まります。公的にも私的にもこの月をけじめとして動き出しますが一月一日の新年に対する決意や、二月二日の節分、そして三月を経て一気にこの年が始まります。今年は例年になく、一月から様々なものが激しく動いており、予測もしないアクシデント的な事象が起きていますから、改めて自分の周りに気を配って落ち着いた目で見て戴きたいと思います。昔から酉年はバタバタ貧乏と云われて忙しい割には充実しない年と云われておりますが、そんな小さな譬えではなく御本人の思考、心構えによって大きく左右に結果が変る年と見ております。それに加えて本年は菩提寺、または霊園等に足を運ばれてお家の仏様の御供養をきちんとなさる様にお奨め致します。春彼岸の供養会の時も強く感じましたので、お家の安泰の為、是非実行なさって下さい。常に綺麗なお墓である事が大切です。
 これから桜一色の春を迎えます。全世界に苗木が運ばれて満開の桜が日本の花として人の癒しを与えておりますが、三月末から四月いっぱい咲き誇る桜は、潔さと云う言葉と共に日本を象徴するものと思いますし、その美しさは誠に潤いを感じさせてくれます。
 さて、人間の厚みと云うのはどうすれば身につくかと云う事を考えてみました。単に学校で学んだ知識を身につけても厚みとはなりません。もっと懐深い人間になるには?包容力のある人になるには?信頼し切れる人と云われるのには?様々の難題があります。これは育った環境も大きな影響がありますが、自分の自覚をする事が一番芯になるかと思います。自分と云う人間を知って必ずある足りない所を埋めて行かねばなりません。自分を知らないと何も出来ないと思います。
最近よく聞きますが、小器用な人は増えたけれど、どっしりと信頼が出来る人間が少なくなったと嘆く高齢者がおります。豊かな環境が調い、学業も食物も腹いっぱい頂ける現代は、とても甘いものだと思います。その高齢者達もあの戦争時代何も出来なかった人達ではありますが、我慢と云う事を腹に据えたのも確かですから、若い人達に根性を感じないのでしょう。
手を伸ばせば何でも手に入る様に感じる現代ですが、そこに一つ覚悟を身体に据えましょう。必ず視野が変って来ると思いますし、理想も希望も変って来ると思います。他人に信頼されると云う態になるのには中々努力も要りますが、値打ちのある事だと思います。自分にはオーラがないと思う人、また頼りにされない等と疑問を自分に感じている人は、この機に自分を分析してみて下さい。必ず視えて来ると思います。
 私は長い間空手をやって来ました。信頼出来る師範に出会い、独立して戴き、十年の月日が経ちました。誠に人格の高いピュアな方で、本当に良かったと思っております。十周年を迎え、あちこち汚れた場所や緩んだ場所を改めて潔め、新鮮な想いで再び練習出来る事を喜んでおります。武道道場には何処でも鹿島神宮、香取神社の神祗が掛けられておりますが、それを新しく祀る為に両神社に参って来ました。長い歴史の中で武芸者がこの二柱神を崇めて来た、この事実は神域で重く感じさせられ、一つまた想いを致す事が出来た次第であります。想いを新たにする事は、次に進む大切な心であります。有難い御縁だと思いますし、私の心を支えてくれた空手を多分これからも続けて行くと考えています。その時に喝を入れてくれるものが一つありますと、生き方にけじめが出て来ます。それは自分の考え方で決めて良いと思いますし、人に奨められてやるものではありません。一つ一つ何かを自分に課す事によって厚みのある人間になって来るものと思います。
 軽い人間が多いと云われている昨今、それは勿体ない人世だと思いますので、自分の為に浅薄な考え方を改め、何事も深く思索して戴き、光って戴きたいと思います。

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