2人は同棲中。
全て玉井目線。
会話は少なめですが、私の思い描くももたまいの関係性を書きたくて。
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最近夏菜子は忙しい。
都内での仕事に加え、地方での仕事が立て続けに入っていた。地方に飛んだと思ったら今度は韓国へ飛んで行ってしまった。一緒に住んでいるのにお互いの生活リズムがズレていて、実に2週間くらいゆっくりと一緒の時間を過ごせていない。
今日の深夜の便で韓国から帰って来るみたいだけど、明日も仕事だから寝よう。朝起きたら夏菜子がいるんだからと、楽しみにしながら眠りについた。
ふとシャワーの音が聞こえて目が覚めてしまった。
時計に目をやると深夜2時、お疲れ夏菜子…おかえり夏菜子…。
目は覚めたがやっぱり眠い。
せめて夏菜子におかえりを言おう。
でもまぶたは下がってくるだけ。ダメだ…眠い。
襲いかかる睡魔と戦っていると寝室のドアが開いた。あっという間に勢いよく揺れるベッド。
夏菜子、思いっきり飛び込んだな…。
「夏菜子、おかえり」
「ん〜…」
夏菜子は私に体をすり寄せてきた。
猫みたいで可愛い。
なんて思っていたら急に冷たいものを感じた
「冷たっ!夏菜子っ、髪の毛拭かないと風邪ひいちゃうよ」
「ん…」
ダメだ。夏菜子は相当お疲れだ。
「しお…」
「なに?夏菜子」
「会いたかった…」
「……私もだよ」
そう言って夏菜子の丸見えのだだっ広いおでこに口づけをすると、ヘニャリとした笑顔を見せた。
「夏菜子、好きだよ」
「へへへ、知ってるよ〜」
寝ぼけてるのかな、いつもこんな反応しないのに。
「しお…」
「なぁに?夏菜子。もう寝な?」
「うん……」
「おやすみ」
私がそう言った時にはもう規則正しい寝息が聞こえた。
冷たい夏菜子の頭を包み込むように、今まで会えなかった時間を埋めるように、夏菜子とくっついて寝た。
翌日の朝、寝坊せずに起床した。
ベッドから体を起こし、伸びをしながら夏菜子を見ると気持ち良さそうに寝ていた。
そんな夏菜子の頭を撫でたら、もうさすがに髪の毛は乾いていた。
「本当にお疲れ様、今日はゆっくり寝てね」
そう呟いてベッドから出る。
リビングに行くとダイニングテーブルに目を奪われた。ダイニングテーブルには、韓国のお土産がたくさん置いてあった。
韓国の激辛カップ麺、お菓子、よく分からない置物、韓国コスメ、入浴剤、そして私の大好きな韓国海苔。その他にもテーブルから溢れんばかりに置いてあった。
「ばかなこ……」
私のいない所でも、私のことを思い出してこうしてお土産を買ってきてくれる。
お店でこれを買っている時の夏菜子を勝手に想像して心が温かくなった。
朝食のトーストのジャムを取ろうと冷蔵庫を開けると、買った記憶のないプリンが2つ置いてあった。
付箋が貼ってある片方を手に取ると、
「お仕事終わったら2人で食べようね!」と書いてあった。
これだけ韓国のお土産を買っておいて一緒に食べたいのはどこにでも売ってる安いプッチンプリンなのか。どこまでも彼女はバカだ、
そう思ってプリンを冷蔵庫にしまった。
朝食と身支度を済ませて家を出る。
今日は早く家に帰ってこよう。