私の大好きな島本理生さんの夏の裁断を読みました。第153回 芥川賞候補となった作品です。本作品で純文学は卒業とおっしゃっているのでファンとしては芥川賞を取っていただきたかったです。ただ、結果として芥川賞を受賞した又吉さんの火花は続く出版不況を盛り上げるベストセラーになったことは喜ばしいことですね。
以下、夏の裁断レビューです(^_^)
『どんな経験にでも小説になるでしょう。数十分前の母の言葉が蘇る。
それでも。
やっぱり出来ることなら出会いたくなどなかった。』
主人公の萱野 千絋は祖父の遺品整理の為に母親から小説を裁断し、データ化してパソコンに取り込む「自炊」と呼ばれる作業を依頼される。自身が作家である千絋はその作業に嫌悪感を抱くと同時に忘れがたい過去と向き合うことなる。恋愛に限らず、人間関係で疲れた時に読みたい一冊。
読み終えた後は案外すっきりした。
心の傷は正しく埋めないと後で更に
大きな傷を作ってしまうんだと思った。
厄介で全く掴めない柴田は千絋の弱さに
絶対気付いて付け入ってる。
人を困惑させて平気な顔する人。
ちゃんと向き合おうとすればするほど
ズレてきて深く傷つける。
もぅただ距離を置くしか扱いようがない人。
『誰にも自分を明け渡さないこと。
選別されたり否定される感覚を抱かせる相手は、
あなたにとって対等じゃない。
自分にとって心地よいものだけを掴むこと』
この教授の言葉はほんとにその通りだと思う。
当たり前に思える言葉だけど、
実際の人間関係では特に『心地よいものだけを選ぶ』ことが
出来ない場面は多々ある。
だけどそれでも自分は大切にしないといけないこと、
惑わされない自分を持つこと、
自分をぶれずに愛してくれる人はきっといること、
それを教えてもらえた気がする。
何回か読むと深みが増す一冊だと思います。
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