ひとり乗り込んだ車の中での 

延命の溜息が 


カーナビの音声ガイダンスに 

かき消される 






ひとつずつが容赦なく

壊されていくこの世界で


握った拳や、流した涙に 

果たして意味はあったのか 






踏み込んだアクセルに流れていく 

一見賑やかな、この通りの空の下の 


実は真闇で、腐敗に塗れた

潔癖装う現実のなかで







項垂れながらも、張り上げた声は


私が私を、探しあてる声







きっとまだ、聴こえるかぎりは

壊れても壊れない






私には私がついている