文化人を気取るが実はよく分かっていないんです

文化人を気取るが実はよく分かっていないんです

「普通すぎて困る」と、人生に変化が欲しくて映像の仕事に就いてみました。

でも僕、センス無いのを隠すために毎日必死なんです。

Amebaでブログを始めよう!

出張諸々ありしばらく更新しませんでした



忙しいような 忙しくないような


そんな毎日を過ごしていました


、が


本日決定的に「やばい」という状況が仕事で起こり


笑いがとまりません。


社会人って素敵なものですね。



さてさて、

先週末は「めちゃ怖」を見ました

(山下敦弘監督・ソフトオンデマンド制作)



文化人を気取るが実はよく分かっていないんです


実録風ビデオがレンタルの下段にカタログの現在


大物監督がチャレンジしたことに感動です


恐怖も笑いも涙も

すべて押し売りせず


いつもの山下監督でした。


僕らが小さなころ

この類のビデオ・テレビが蔓延していた気がします


すべて本当のことだと信じ、

隣の母ちゃんのリアクションをみてただごとではないと感じ、

どえらいものを見てしまったと思い、

友達にも言えず溜め込む恐怖…


大人になって振り返り、気づいたこと

小さなころの僕をいじめていたのは


矢追純一(UFO)


藤岡弘、(探検隊)


宜保 愛子(霊能力者)




僕は何を怖いと思っていたのでしょう?


広告代理店臭に弱かったのでしょうか



時は流れ、「リング」や「呪怨」…


得体の知らないものが

徐々にくっきりはっきりしていく


ホラーはジャンルとして崇高なものとなった

映画としても質も高いものが多い


でも


僕は生まれてこれまで

たぶん幽霊は見たことがなく(と信じたい)


現代ホラー映画から引きずり込まれる恐怖は耐えることはできるが



宜保 愛子


ギボアイコ


GIBO AIKO



彼女が僕に植え付けた恐怖は消えない


彼女のせいで、


いや、おかげで


「めちゃ怖」はとにかく生々しく怖かった

そして心から感動した&嬉しかった


僕が見てきた「怖いものたち」が

映画人に精一杯の愛情を受けて

「きみたちはとっても怖いんだよ」

と評価された気がした


ありがとう、ギボアイコ


じゃないや、山下監督とソフトオンデマンド


前日思いっきり固い文章書きましたが…


今日はアニメです


小さな頃はあまりアニメを見ず、


アニメといえば…

・ドラゴンボール

・ドラえもん

・おぼっちゃまくん(何故か全部見ていた)


でした。



それが時は流れ…

2009年4月スタートのアニメでは…


まず「けいおん!」


「シャングリ・ラ」も1話は奇跡的に美しかった


「東のエデン」はついに視聴率が5%(←これすぎ)越え


「Phantom」「咲」も個人的にはスキかな…





映画より見ている気がする…


DVD市場は年々縮小傾向にあり、

Blu-ray市場への完全切り替わりの日が来ても

パッケージビジネスは悪化する一方と言われている


そんな中、アニメはかなり持ちこたえている


今の仕事をして初めて知ったこと


それはアニメの販売本数(メーカー受注数)が

その辺の映画よりはるかに多いということ


邦画は超ビッグタイトルは別として

大抵1万本がいいところだ。

ものによっては1000~2000もざらにある


アニメは平均的に第1巻、1.5万~2万本は売れている

もちろんタイトルによってばらつきはあるが、

アニメはTVシリーズなら6巻前後、ものによっては12巻ほど

各月でリリースされていく


各巻1万本として、6万本だ。

業界紙でタイトル別の販売数が見れるのだが、

この6万という数字から考えると

映画(特に日本映画)でこれを越えているのは

年間、両手で数えれるほどだ。


レンタルは別として(ツタヤなんかは導入方法が特殊なので)

セルDVDはアニメはとにかくよく売れる


アニメ専門店(アニメイトなど)に限らず

秋葉原にある某家電店のDVDコーナーでも

一日で百本以上アニメが売れることがある


アニメDVDは映像特典などのユーザーへの気遣いがはんぱない

その分、価格もなかなかのもんだが

コレクションし続ける価値は高い。


アニメを買う人は、食費を削ってでも買う


この不況下、家計上、最初に見直されるのは

「娯楽への投資」

であるのが一般的


しかしアニメ・ゲーム・PCゲーム・漫画・同人誌…

これらを愛する人たちは

食費を削る・電車賃を削って歩く・光熱費を抑える

などで自分の好きなものへの投資を続ける


本当に素晴らしいこととは思うが、

とはいえ彼らもなんでもかんでも手をだすわけではない


そこで話は戻って「けいおん!」

内容は高校生の軽音楽部を通してのゆるーい可愛らしい話。

制作会社は「京都アニメーション」


この京アニの成り立ちは長くなるので省くが

好き嫌いは別として、これほどユーザーに信頼され続け、

かつその期待に応えているのが

監督・声優・原作など、目立つ部分ではなく

「一企業」に対して

というのがすごい


映画界でスタッフへの信頼感が常に高い企業ってそんなにない

最近では「ROBOT」とかその辺くらい


京アニへの安心感は、それこそ…

「TOYOTAはなんやかんやでいいよね」

「最近はユニクロで十分だよ」

「母ちゃんの飯が一番だぜっ!」


などと同レベルである。


「けいおん!」は音面(曲が次々とオリコン上位入り)も良い

アニメ専門店以外(タワレコとかツタヤ)でも売れている

ということが何よりすごい

グッズの展開も秋口から数百件出るとか


ここ1年前くらいまで毛嫌いしていたアニメ業界

そこから学ぶことは多くある


あんまりはまるとお金が掛かるが

一秒くらいのため息で済むので

やはり自分の好きなものへの投資は

不況下でもさほど心のダメージはない


今の私の投資は

①DVD・Blu-ray

②ラーメン


こんくらいしか無い…

なんか面白みに欠ける趣味ですね





皆さんおはようございます。


先日誕生日をむかえまして


妻がネジネジのアキラの嫁、志乃並のフルコースを作ってくれました


やはりご飯はとても大事


普段勤務中、接待諸々でろくな食生活をしていないので


嬉しさも倍増で御座います。



さて、今回は以下のタイトルのご紹介です。


「ノーボーイズノークライ」

日韓合作映画。

妻夫木聡さんが主演です。


韓国の俳優、ハ・ジョンウさんとのW主演です。


脚本は若くして日本映画の脚本家のトップに踊りでた


「渡辺あや」


アスミックさんの試写室で拝見しました。


あやさんの本を作る力は僕ら「そこそこ」映画観る人にも強く響き

というより彼女の才能は登場人物の台詞量・品・バランスだと思います


本編ではこれ以上ブッキーに肩入れすると彼の役に観客が依存してしまう

(表向き一見極悪だが実は…という役)

彼の心の内を言葉や行動ではっきりさせるようなことはしない

そのとき彼が見ていた景色や、なんとなく歌ったカラオケシーンで見せた表情で

彼の人間性をこちらにゆっくり理解させていく


俗に言う「ト書き」の部分ですね

「天然コケッコー」では天才・山下敦弘と渡辺あやの「ト書き」才能がぶつかり

個人的には難しい着地をしてしまった気がしています

映画としては高評価も、他の山下作品・渡辺作品を見ると

やっぱりどこか正面衝突してしまった気がしてなりません


山下監督の生む素晴らしい間と

渡辺あやの本時点で作った素晴らしい間が

融合しきれずそれぞれが独立し

結果間延びしているシーンが多々ありました


もう一度このタッグを見てみたいですが



さて、ノーボーイズですが

日本公開のことを考えると、もっとブッキー寄りの視点における本が最適だとは思う


でも映画としてはほぼ完璧


日本・韓国の映画制作は上手くいきそうでいかないことが多い

制作フローの違いや、スタッフの役割なんかも国によって大きく違う


昔僕も日本・韓国・中国で合作や、フランス人監督が日本の渋谷でロケ…

そんな現場にいたが、すべてうまくいかなかった


こちらサイドにもベテランスタッフ・役者はいたのだが

まったく信頼してくれない


とある韓国の方は

「日本の料理は合わない。だから映画でも私たちとは合わない」

とのこと


僕らは韓国料理だいすきなのに…


まったく違う映画、もっと言えばメシも生活も国に対する思いや創造も


共感できる部分がほとんどない国同士が


それこそ「個人の嗜好」を商売にする映画において


数ヶ月で理解できるはずがない


技術的な面、プリプロからポスプロへの基本概念etc…

そんなものは刷り合わせできるが


デリケートに大事にしてきた「感性」だけは

なかなか両者譲れない



そこで重要になってくるのは


役者です。


スクリーンに常にいる役者…


ここに信頼がおけると途端に我々はおとなしくなります


仕草や表情は全世界共通してよいものはよいです


その点、ブッキー、ハ・ジョンウは素晴らしかった


この映画の裏側は知りませんが

共作としては成功している映画だと思います


この手の内容は日本の興業は厳しいとは思いますが

「天地人」きっかけでライト層が反応し、

結果「なんかいい映画みたね」と

じわじわ愛されて欲しいタイトルです



ノーボーイズノークライ

脚本 渡辺あや 監督 キム・ヨンナム

今夏全国ロードショー