韓国映画㊻キルソドム(길소뜸) | なりあやの韓国シネマ留学記

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2017年、3度目の韓国留学。
ソウルの大学院で映画を勉強します!

イム・グォンテク(임권택)監督の昔の作品をこつこつ観てます。
 
「キルソドム」(1985 原題:길소뜸)
 
 
ポスターが古い(笑)
 
離散家族を描いた作品ですが、同じく離散家族の話が登場する「国際市場で逢いましょう」の描き方とは全然違う。わたしは、こっち(キルソドム)だなと、思いました。
 
どちらの作品も、実際のテレビの映像が流れるのですが、1983年、KBSが離散家族再会の番組を大々的にやったみたいですよね。朝鮮戦争で生き別れた(死に別れてる可能性もありますが)家族を探すキャンペーン。
 
泣いて笑える「国際市場」では、この再会が最も泣けるシーンで、ハッピーな描かれ方ですが、「キルソドム」は再会=ハッピーとはならない。それこそが、離散の重みだと、思いました。
 
それとは別に、若い二人の愛が、美しい。
美しいから、その後の悲劇が際立つんですね。
 
田舎(キルソドム)で愛を育んだファヨンとドンジンの間に息子が生まれるが、朝鮮戦争の混乱の中で三人は生き別れてしまう。
 
ドンジンとは違う男性と結婚し、裕福な暮らしをしているファヨンは、KBSの前でドンジンと三十数年ぶりに再会し、一緒に息子を探しに行く。
 
と、ここまではいいんですが、
 
どうも息子らしい人が見つかったのに、その人は品が悪く、ファヨンは息子と認められない。
という意外な展開に。
長年、会いたくて仕方なかった人が、期待した人ではなかったという描かれ方が、否応なく引き裂かれた家族の現実により近い気がしました。再会、めでたし、でなく。
 
ファヨンと息子(らしき人)が一緒に車に乗っていて、犬をひいてしまうシーンがあるのですが、息子は急いで犬を抱えてきて車に乗せようとする。それをファヨンは汚らわしいという顔で、早く降ろすように言う。
 
ここで、当然、犬がかわいそうで抱えてきたのかと思ったら、食べるためなんですね。
嫌がる母に、「高く売れるのに」ともったいながる息子。
 
という風に、再会しても距離を埋められない親子を生々しく描く。
見応えありました。
 
という話をつい先日、出会った方にしたのですが、その方は、ななんとイム・グォンテク監督の撮影チームで働いた経験があるという日本の方。
うらやましすぎるおねがい