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先日「天に星地に花」を読んで感動したので早速「水神」を読みました。

 

<BOOKデータより>

目の前を悠然と流れる筑後川。だが台地に住む百姓にその恵みは届かず、人力で愚直に汲み続けるしかない。助左衛門は歳月をかけて地形を足で確かめながら、この大河を堰止め、稲田の渇水に苦しむ村に水を分配する大工事を構想した。その案に、類似した事情を抱える四ヵ村の庄屋たちも同心する。彼ら五庄屋の悲願は、久留米藩と周囲の村々に容れられるのか―。新田次郎文学賞受賞作。

 

帚木(ははきぎ)先生が白血病を患い、無菌室で執筆したという作品。

 

上下巻で684ページと読み応え有りますが、読んで良かった!感動しました。

 

ネタバレ注意です注意

 

水汲みの足が悪い元助という青年と庄屋の助左右衛門の視点で物語が進みます。

 

上巻は水涸れする農家の極貧振りが元助の眼を通して描かれます。

 

山に食べ物を求めて入ると老婆と乳児の遺体が・・・口減らしです。

 

年貢、イナゴ、洪水の末に、子供の間引き、娘の身売り、夜逃げ、盗み、餓死です。

 

 

5人の庄屋が偉いんです。私財をなげうって(借金もします)巨大水路を造るよう、郡奉行に

 

訴えます。お上は財政破綻しているので資金は庄屋が調達しないといけません。

 

しかも失敗したときは5人に罪をかぶせて磔に。現場に5本の磔用の木を立てます。

 

それでも村の人たちの為に死を覚悟して水路作りを決行する庄屋の姿に涙しました。

 

今、教育現場や政治でも責任を取ろうとする人いないでしょ、だから余計に5人が崇高に思え

 

たなぁ~(歴代都知事さんに読ませたいわ)

 

庄屋達、お金持ちでないのに10日ごとに250両をお上に出すって、どれくらいの金額だろ?

 

それが三ヶ月続くんですから・・・何十億って感じかな?

 

舟から現場の小屋、炊き出しの食料、日当と莫大な金額。しかも失敗したら磔(ノ_-。)

 

 

元助は足が悪いけど真面目に毎日水汲み。朝から晩まで相棒と水汲みの人生です。

 

今みたいに軍手もないから手の皮はごわごわになるし、食事はナマズの干物少しと生大根。

 

元助がいつも食べ物のことを考えてる様子が切実なんです。庄屋ですら白いご飯に

 

驚く時代。 布団や畳ってお金持ちの商家くらいしか使って無かったのね・・・驚きです。

 

貧しさばかり描いてるプロレタリア文学と思いきや、思想的なものは感じません。

 

お百姓にもお侍にも素晴らしい人がいて、上手く言えないけど「志・こころざし」の話かと。

 

村の人たちは5人を磔にするもんかい!と一生懸命働くんです。その場面でまた涙(iДi)

 

町の人も反対してた庄屋もみんなが心一つにする場面はほんと、感激しました。

 

やっと出来上がった水路。水門を開いたら逆流で水門が壊れてしまったり最後までハラハラ

 

しました。その後の水路が出来たときの喜びが読み手にも伝わって幸せになれます。

 

 

今、お米(炭水化物)が悪者みたいに言われてるけど、なんだか罰当たりな気がします。

 

農家の人の気持ちを考えると軽々に言うことではないなと。

 

この「水神」も「天に星 地に花」もドラマにならないかなぁ~ 

 

 

ここまで読んで下さりありがとうございますご飯