デング熱2 | 奈良西部病院のブログ

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 2014年デング熱再上陸


2014年の夏は豪雨災害が連続する異常気象である。日本にとどまらず世界中で異常気象となっている。このような天災による環境悪化に伴う過去に流行した感染症の再興が現在社会で危惧されている。

2010年9月フランス南東部に位置するコートダジュールのニースやカンヌ(映画祭で有名)に近い地中海リゾート地でのデング熱患者発生が報告された。

2013年には日本を旅行したドイツ人がデング熱に感染している。

我が国においては2014年8月とうとう3名のデング熱患者が今月東京都で報告されたところである。かつて1942年から1945年にかけて神戸、大阪、広島、呉、佐世保、長崎等約20万人がデング熱(デングウイルス1型)に罹患した。現在もそのウイルスは望月株として継代培養されている。

一度は日本では根絶されたデング熱だが、再び上陸したのである。

現在シンガポール・フィリピン・タイ等東南アジアからインドにかけてデング熱が流行している。また中南米カリブ海においてもデング熱が流行している。LCCが増えた2010年から日本人旅行者のデング熱に感染する症例が増加している。

今後も海外から人を介してウイルスが入ってくるであろう。日本のヒトスジシマカもデングウイルスを媒介する。夏には携帯型蚊取り線香や蚊よけのスプレー(忌避剤)DEET(ムヒ)http://www.ikedamohando.co.jp/products/repellent/mushipale_ps.html

やインセクトシールド等蚊よけの衣服を使用する事もお勧めである。http://www.insectshield.jp/ (了)

文責:古閑比斗志