あれは、18歳、、、

と、ある事件を起こして中等少年院送致になった時の話しである。

九州での家裁判断に関わらず、色々な事情が重なり、大阪に在る少年院にご移送される羽目となった。

両手錠に腰縄、、、ご丁寧にも二人の鑑別所職員が私の両脇を固める。。。

福岡から、新大阪までの新幹線。

しかも早朝のことであり、空席が目立ち余裕で座れた。

 

 

道中、鑑別所職員と何を話をしたのかは定かではないが、とりあえず新大阪駅に着くと、朝の通勤ラッシュと重なり、私は操り人形のごとく職員に誘導されるままに、一両の電車に乗った。

超満員、、、ラッシュ時の電車に乗り込むのは生まれて初めてでもあるが、この場合どうするかは私に考えられる権利はない。

両手は手錠、、、腕を上に上げようにも腰縄が邪魔をして上げられはしないのである。

 

 

運の良いこと(?)に目の前には、若い女性(とはいえ、私よりも歳上であっただろう。)が立って私の方を向いている。

しかも、私好みであったのでたまらない。

背の高さは私と同じくらいであったので、女性のいけない部分に私の両手は固定されるは、顔は目前に迫る。。。

若いというのは良いものものであるが、この時の若さは、半端なく若く、私の暴れん棒君が「不可抗力だ!」と叫びつつ大きくなり、モジモジとしていた所、女性は、「痴漢です!」と叫んだ。

 

私は、違う!とばかりに、一秒間に20回ほど首を左右に振ったが、女性の怒りの視線に肩を落とし、「済みません。」とばかりに、女性の目が届くように両手の手錠を見せると、びっくりした顔をした瞬間、「間違えました!ごめんなさい!」と、周囲の乗客に分かるように言ってくれた。

 

女性の機転に素晴らしい。。とは、今現在思うことであり、その時は、恥ずかしさと女性の身体に触れられる嬉しさで複雑な思いをしていたが、

「何をしたのかは分からないけど、負けたらダメだよ。」

と、言ってくれた女性の言葉は今でも忘れられない。