『そばかすのフィギュア』菅浩江 著
みなさん、こんにちは!
読書感想文です。
こちらは以前、新聞を読んでいて紹介されていたところ、大変惹かれて購入したSF短編集です。
面白い短編が読みたくて、情報に目を光らせていた成果でしょうか……。しかもジャンルがSF。
父が映画好きで家に映画のビデオがけっこうあり、小学生の頃からスターウォーズやビジターを観たり、テレビでスタートレックを喜んで観ていたので、SF自体は好きでした。
インディージョーンズも大好きだったもので、好きな俳優はハリソン・フォードだと言っても誰にも共感してもらえない小学校時代で……あ、ちなみにスタートレックはジェネレーションズ世代です。ピカード艦長やデータが出てたシリーズです。うふふ。久しぶりに観たいなぁ、レンタルしようかしら。
……はっ!
話がそれた!
ええと、SFは好きですが小説は読んだことがありませんで、はい。もう買わずにはいられませんでしたよ。
後書の解説によるところ、表題作『そばかすのフィギュア』は、翻訳されて海外でも大変評価された作品だそうです。女の子と動くフィギュアの話で、そのフィギュアの動く仕組みがとても面白い!さすがSF!
そして、わかっているのに幻想を抱いたり、代わりに悔しさを晴らしてほしいと何かに依存したり、慰め合ったり、誰かと自分を比べて優劣を意識したり。恋する主人公の抱える弱さが的確に表現されています。
短編集の中で一番好きなのは、一話目の『雨の檻』です。元はこれが表題の短編集を改題、再編して、本短編集となっているそうな。
『雨の檻』は、これぞSFと感じた、忘れられそうにない話です。宇宙船の無菌室で人型ロボットと暮らす少女の話で、ラストは切ないながら、あの終わらせ方には脱帽です。あんな話が書けたらなぁ。ううん、すばらひぃ。
思いのほかに感動したのが、最後にあった『月かげの古謡』でした。
世界観はファンタジーであり、最後はしっかりSFで締められている話です。
ファンタジーのくくりといいますと、私はまだまだ理解が甘いのですが、ここでいう世界観は、剣と王様が出るような西洋風昔話だとか、西洋の童話といったものです。
主人公が自身の弱さに打ち勝つ成長物語として、短編でよく綺麗に織り込まれているなと驚きました。
ネタバレですが、謝るもんかと言って矜持を守っていた主人公が最後「すまない」と言う、その、何に関して謝っているのか。歴々と続いたものから連なり自分まで総じて捉えることができている、そこに深く感動しました。
私もこの主人公みたいに、自分を理解してくれる人にホロッといくんですよね。ファンタジーでもしっかり共感できました。作中の問答もお見事で、大好きです。
全部で8話のSF短編集、お腹いっぱい大満足でした。