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DeNA相手に虎の“絶好調男”は健在だった。鳥谷が8試合連続安打に4試合連続打点をマーク。


なかでも、2点リードとなった二回二死一塁の2打席目は勢いを象徴していた。運をも味方につけた。

「2打席目はラッキーですね。相手投手がよくても悪くても、考えずにしっかりできることをやっている」


先発・高崎の投じた4球目。内角高めの直球を振り抜いた打球は打ち取られた高い飛球に。しかし飛んだコースは一塁後方。

ボールを追った二塁手・サラサーはあと一歩のところで間に合わない。グラブをかすめ、右翼線にポトリと落ちた。一走・能見がホームに生還。ラッキーな適時二塁打で貴重な3点目を刻んだ。


一回の先頭打者としても、中前打を放っていた背番号「1」。期するものがあった。


試合前のミーティング。「早い回に点を取っていこう」と首脳陣がゲキを飛ばしていた。理由は明白。先発・能見は3連敗中で無援に泣いていたからだ。クールなイメージだが、グラウンドでは熱い男。大きな声を張り上げ、仲間を鼓舞する。



若手野手も、「トリさんが練習中も頻繁に声をかけてくれるんで、やりすいです」と感謝する。



そんな熱いトリが燃えないわけがなかった。先制パンチで猛虎打線を活気づけた。



2戦連続のマルチ安打で打率・310とし、リーグ3位に浮上。出塁率・442もセ界トップを独走中だ。


5月5日の巨人戦(甲子園)から1番に起用する理由について、片岡打撃コーチは「出塁率がいいから」と断言。それでも、本人には普遍の考えがある。


「1番打者は1打席だけ。場面、場面でどういう打席にするか。1、3番も変わらない」。貫き通すスタンスが好結果を生んでいる。


「あと2つ勝って、交流戦に入れるようにしたいです」


勝ってかぶとの緒を締めた。最前線でタテジマ軍団を牽引している。