中学生の女の子が、右足が痛いという事でインソールの作成に来られました。
1足目は整形外科で作成され、2足目は当院で作成させていただくことになりました。
中学校の体育で履く靴とのいうことで、運動時の衝撃を和らげ、
さらに、右足の荷重を外側に誘導するように作成していきます。
右足の状態は丸の部分が膨らんで見えます。
外脛骨とは、足の内側にある過剰骨(よけいな骨)または、
種子骨の一つです。
左足の状態は丸の部分に膨らみは見られません。
右足の舟状骨あたりに骨の出っ張りが見られます。右側の足は踵の中央のラインと、アキレス腱のラインがくの字になっているのがわかります。
すなわち、縦アーチがなくなり扁平足になっています。
そこで、かかとの内側を上げる様な足底板を入れることで、かかとの位置が変わり、足に掛かる荷重の位置も変わります。
靴は体育館シューズです。
右足のインソールは外側に荷重を誘導するように作成させて頂きました。
今後は足の状態を見ながら、一か月かけて経過を見ていきます。
最後に有痛性外脛骨についてです。
有痛性外脛骨とはどんな病気か
足部にはさまざまな部位に過剰骨(退化して本来なら存在しない余分な骨)があることがありますが、外脛骨(がいけいこつ)も足部中央の内側にある過剰骨のひとつで、日本人では5人に1人程度の割合でみられます。
普通は痛みを伴いませんが、小学校高学年以降に激しいスポーツを行うようになると、外脛骨が原因で痛みを生じることがあり、これを有痛性外脛骨といいます。
有痛性外脛骨の原因は何か
靴による圧迫や捻挫(ねんざ)を契機に発症することがあります。外脛骨と舟状骨(しゅうじょうこつ)との間の結合部が損傷され、わずかに動くことにより痛みを生じます。
女子に多く発症し、扁平足(へんぺいそく)が発症に関与しているといわれています。
有痛性外脛骨の症状の現れ方
スポーツ活動中や活動のあとに、足部中央の内側に疼痛(とうつう)を自覚するようになります。
本来ならば存在しない過剰な骨であるため、骨の大きさだけ膨隆(ぼうりゅう)し、押すと痛みを伴います。激しい痛みではありませんが、スポーツ活動に支障を来します。
有痛性外脛骨の検査と診断
X線検査で外脛骨があることがわかれば、臨床症状と合わせて診断は比較的容易につきます。
有痛性外脛骨の治療方法
ジャンプやダッシュなど足部に負担のかかるスポーツ活動を3週間程度中止し、筋力トレーニングなど局所に負荷のかからないものに限るようにします。
症状が改善しない場合には、アーチサポート付きの足底挿板(そくていそうばん)を装着することで外脛骨部への負荷を軽減します。さらに疼痛が続き、スポーツ活動への早期復帰を目指す場合には、手術的に摘出術や接合術を行う場合があります。
有痛性外脛骨に気づいたらどうする
有痛性外脛骨の診断が確定すれば、症状は骨の成長とともに改善することが多いので、焦らずに痛みを生じない程度のものだけに運動を制限して回復するのを待ちましょう。
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