No.9 仙元山ハイキングコース: 樹木探査 春編 [2020/04月]
仙元山ハイキングコースは三浦アルプスの一部として、その東端にありますが、自然豊かなコースです。今回は、樹木や草花に注目してこのルートの魅力を解き明かしていきたいと思います。まずは春編から。※完全に自分のための備忘録であり調査記録ですので、ご容赦ください。仙元山と利根山(ソッカ)の間には7つの小ピークがありますが、勝手にP1〜P7と名前(と愛称)をつけて呼んでいます。場所は上記の地図を参照ください。■仙元山登山道ごく近所の木の下口から上り葉山教会脇から仙元山への山道に入ります。この舗装された急坂の左隣はタブノキ林です。タブノキは潮風に強いので海に近い斜面林でよく見かけるとのことで、まさにその通りです。常緑対生全縁の大きめの葉で、葉が枝先に纏まって付き、葉先に近い部分の葉幅が最大です。枝先に大きく目立つ芽があることが特徴(類似のマテバシイとの違い)です。春に黄緑の花と赤い若葉を出して目立ちます。教会の左から山道に入っていきます。ここにある安心のリスの看板の木はスダジイ。名札もついています。当地で最も普通に見られる椎の木です。樹皮は縦に割れているのが特徴。スダジイの若葉常緑、互生、全縁の葉で、裏が金色に見えることが特徴です。葉っぱっぽい丸い葉です。この先の仙元山までの道中で目立つ樹木・野草を観察していきます。ヤツデ樹高1−3m葉は常緑、分裂、互生、鋸歯で、八手の名前だが実際は奇数に裂けることが多いようです。見分けるのは容易です。ムラサキシキブ樹高2−3m葉は落葉、対生、鋸歯で、葉先が長く突き出ることが特徴、葉の大きさは最大15cmくらい。似ているヤブムラサキは、葉の表面に毛が多く、ふさふさしていることで見分けられます。夏の花と、秋の紫の結実が楽しみです。ミズキ(の若木)樹高が10−20の高木に成長し、樹皮は縦に浅く裂けることが特徴。樹形は階段状になることが特徴で、姿だけで見分けられます。葉は、落葉、互生、全縁で、葉脈が弧を描くように長く伸びることがミズキ属の特徴。ヤマボウシやハナミズキも同じです。イヌビワ樹高は3−5mで、ビワではなくイチジクの仲間(クワ科イチジク属)葉は、落葉、互生、全縁で、とても特徴的な葉の形と、葉のつき方をします。葉の付け根はハート型に窪み、葉の葉柄近くで急に葉幅が細くなるのが特徴。果実はイチジクの実を小さくした形。このコースでは道端の至るところでこの木を見ることができます春の薊 ノアザミこれもノアザミ。白タイプもあります。ヤセウツボ。変な草ですね。寄生植物で他の植物の根に寄生して養分を吸収するそうです。左奥にある若葉が美しい木。樹形と樹皮からしてスダジイでしょうか。■仙元山富士山を望む仙元山の朝。美しいです。山頂のシンボルツリーはクヌギ展望台の左手に存在感を示しています。トゲ状の鋸歯の大きな葉が特徴。見分けやすい。コナラと並び、この辺の雑木林の代表格。仙元山山頂は14番背後の木はヤマザクラこの木の開花時の様子です。山頂に目立つ花をつけた木があります。(おそらく)ハコネウツギです。落葉、対生、鋸歯で、10cm以上の大葉を持ちます。花は最初は白で、時間が立つとだんだん紅色に変わっていって賑やかとのこと。これから開花していきますが、その後の変化も楽しみです。山頂から南尾根方面の階段手前のエノキ。名札がついているので木の学習にとても役に立ちます(写真では読めませんね)。樹皮は裂けずツルんとしています。落葉、互生の葉で、葉先だけ鋸歯があること、葉の中央で葉幅が最大になること、が特徴です。木の大きさ高さに比べて葉が小さいので、見上げるとなんとなくスカスカな感じがすることで見分けられます。仙元山を一旦下って平坦な山道を行きます。緑が濃くなってきました。左には谷があって、カエルの鳴き声が賑やかです。ツツドリやキビタキやヤブサメなど、夏の渡り鳥のさえずりが聞こえます。この道端にもいろいろな植物を楽しむことができます。ヒメウズ道端の足下でひっそり咲いています。マルバウツギこの仙元山や森戸川林道沿いなどで、この美しい花を至るところで見ることができます。綺麗な5弁花です。タブノキの芽吹き枝先に大きな芽を付けていましたが、一斉に芽吹いています。■P1:シロダモ峰根っこ坂の入り口の門番の木スダジイです。縦に割れた樹皮キツツキが開けたであろう穴があります住人もいるのでしょうかスダジイの葉 古い葉と新しい葉このピークにはシロダモがあります。木の名札もついているのがありがたい。シロダモはあまり特徴がないので特定するのはなかなか難解です。樹皮は白っぽくて滑らか。シロダモはクスノキの仲間で、葉脈が付け根から3本に分かれて伸びる三行脈が特徴。シロダモは枝の先端に葉が集まってつくことが特徴です。若葉は金色の毛を被り枝の先にひょっこりと顔を出します。特徴的な姿です。このピークにはイヌビワもあります(名札あり)もっと小さい木が多いので、ここのはかなりの大木の部類枝先に扇を広げるように咲きます葉は中央部で葉幅が最大になり下部で急に葉幅が細くなる独特のシルエット扇型を作るために最も効率的な形なのでしょう。P1の頂上には綺麗な5弁花マルバウツギも。■P2:サトザクラ峰シンボルツリーは大きなサトザクラ。根元が分かれているので、この木もかつて蒔材として使われたヒコバエの木なのでしょう。サトザクラの裏にはハリギリの大木が2本(名札あり)葉は掌型だが、カエデ(対生)と異なり互生、葉が枝先に集まります(よって見にくい)。枝には鋭いトゲがあります。樹皮は縦に深く裂けることが特徴キリの名前があるが、材がキリに似ているからで、全然別の仲間です。P2を後に次のピークへの道■P3:ねじれシイの峰P3にもシンボルツリーがありますね。常緑、全縁、葉裏が金色に見える、樹皮が縦に裂ける特徴からスダジイです。P3は捻れた椎の木の峰だから、ねじれシイの峰にします。チゴユリの仲間ホウチャクソウの群落■P4:岩峰ピーク4岩峰のシンボルツリーはコナラコナラ葉は互生、鋸歯、葉先に近い部分で葉幅が最大、葉柄は約1cm樹皮は縦にやや浅く裂け白黒の縞模様に見えます。もうひとつ目立った木が。葉は、落葉、対生で、鋸歯、サイズは10cm程度、枝が緑色が特徴です。樹皮は縦に裂け縞模様です。ニシキギ科で、葉のサイズからしてマユミと思われます。花芽がついています。もうすぐ咲く花が、4弁花であればマユミ、5弁花であればツリバナ、また、新芽が尖っていなければマユミ、尖っていればツリバナ、で特定します。■P5:コナラ峰ピーク5コナラ峰のシンボルツリーはコナラ。手前の斜めのヤマザクラの奥のど真ん中に鎮座しています。コナラ特徴的な下膨れの葉右手の木はP3と同じで、ニシキギ科で葉のサイズからしてマユミと思われます。マユミの葉少し波打っていて、葉脈が葉の端まで伸びずに空白があるのが特徴。こちらも花芽がついています。もう直ぐ開花でしょうか。ツクバネウツギ葉は落葉、対生、鋸歯裏の葉脈に白い毛が生えていることが特徴。■P6:13番峰P6:13番峰のシンボルツリーはヤマザクラ13番の10m先の長柄中への沢分岐のところにマユミの木ここのマユミはすでに花が咲いていました。4数性の花が特徴で、花びらは4枚で、果実も4つに割れるそうです。5数性が特徴のニシキギとの見分けポイントです。ジェットコースター階段の手前には大きなエノキ大木なのにこのスカスカな感じがエノキの特徴です。■P7(ベンチ峰)P7のシンボルツリーは大きなタブノキ枝先に葉が集まり、下膨れの葉を多数付けます。この山頂にはスギの木立も。昔から手入れされ利用されてきたのでしょうか。■戸根山(ソッカ)12番:ソッカ分岐ソッカで海をのぞむハルジオンのお花畑戸根山山頂のタブノキの大木タブノキの若芽赤い若葉と一つの大きな芽がタブノキの特徴■戸根山東南尾根タツナミソウの群落綺麗な紫色ですね11番通過■クリーンセンタ口葉小BS分岐■実教寺口登山道カンノン塚分岐ここにも大きなタブノキがあります(名札あり)実教寺は直進ですが、左折して三浦アルプス方面へ南尾根をもう少し行ってみる。10番平松分岐に出ました実教寺口登山道を行きます9番明るい里山に生える稚児百合の仲間のホウチャクソウの群落とても目立つ大木があります。タブノキっぽいのですが、葉の形が違うようです。大きな葉が枝先に集まり、ほぼ中央で葉幅が最大になっています。タブノキやマテバシイは葉先に近い部分が最大になるので違います。スダジイならもう少し葉が小さく、樹皮が縦に裂けるので違います。候補としては、アカガシ。アカガシなら樹皮がうろこのように剥がれ、葉先に複数の1cm程度の芽が複数つくのが特徴とのこと。次回、観察と採取して特定したいと思います。エノキの高木(名札あり)綺麗な新緑ですが枝先が高過ぎて葉っぱが観察できません。一応、本で調べた知識を。葉は落葉、互生で、先半分だけ鋸歯があり葉の中央が葉幅最大、葉脈は付け根から3本に分かれることが特徴。8番やばい。暗い。実教寺登山口ここにもシンボルツリーのタブノキの高木があります。以上の通り、全てのピークの調査ができました。木の特定をこの先も続けていき、ひとつ一つ特徴を把握していきたいと思います。おわり