NTTドコモの新スマホ、人気シリーズの最新モデルは魅力的か?

日経トレンディネット5月19日(月)10時34分

NTTドコモの2014年夏モデルが登場した。加藤 薫社長は「全機種お勧め。それぞれ特徴があるので、自分に合うものを選んでもらいたい」と話し、今回は“ツートップ”などの特別な販促は行わないことを明らかにした。

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 スマートフォンは5機種でVoLTE(ボルテ)に対応し、対応端末同士なら高品質・低遅延の高音質通話ができる。ハードウエア面では、9V/2Aで充電する高速な「急速充電2」や、災害などの緊急時に電池を長持ちさせるモードといった特徴を共通で備えている。

●シャープ「AQUOS ZETA SH-04F」

 シャープの「AQUOS ZETA SH-04F」(販売開始は5月23日)は、シリーズ名をこれまでの「AQUOS PHONE」から「AQUOS」に変更した最新モデルだ。auの新製品には「AQUOS SERIE」があるが、AQUOS ZETAはスペックが異なる点がいくつかある。本体いっぱいに画面がある3辺狭額縁の「EDGEST」デザインは同様だが、ディスプレイのサイズがau版の5.2型に比べて5.4型と大型化した。その分、本体幅と高さが数mmずつ大きくなっている。本体サイズがやや大きくなったせいか、バッテリー容量も3150mAhから3300mAhとわずかに大型化している。

 液晶パネルはフルHD解像度のIGZO液晶で、バックライトに赤を配置してより実際の赤に近い色再現を可能にした「PureLED」といったスペックはau版と同じ。急速充電2(Quick Charge 2.0)も同等だ。

 デザインはおおむねau版と同等だが、前面の下部にあるボリュームキーが側面に移っているのが大きな違いだ。au版や以前のNTTドコモ版は静電式のタッチキーだったが、こちらはハードウェアキーになっている。担当者によると、ハードウェアキーへの要望が寄せられていたことが変更の理由だという。

 カメラは有効1310万画素で、複数枚の画像を撮影して合成するのではなく、リアルタイムに補正を行うリアルタイムHDRに対応する。センサーのスペック的には、ソニーの「Exmor RS」を搭載していると思われるが、詳細は公開していない。カメラアプリのベースがGoogleカメラなので、全天球の写真が撮れる「Photo Sphere」にも対応する。

 独自機能では「フレーミングアドバイザー」が特徴的だ。フレーミングの際のコツとガイドが表示されるので、それに合わせて撮影するとより好ましい写真が撮れる、という手軽で便利な機能だ。

 本体を握ると反応するグリップマジックは、画面オフの状態で本体を持つとロック画面が表示され、顔認証と組み合わせて画面に触らずロック解除まで行える仕組みだ。ポケットなどに入れた本体を握ると、不在着信や未読メールの通知があるときだけバイブで知らせる機能もなかなか便利で、本体をいちいち取り出して画面を確認する手間が省ける。

 従来の丸みを帯びたデザインから直線を生かしたフォルムに変わり、他社にもありそうな感じながら好ましい仕上がりだ。画面全体を縮小して片手でも操作しやすくする画面縮小機能や、改善されたボリュームキーの配置、独自のグリップマジックなど、機能や装備は総じて好印象だった。