初めて劇場でみて衝撃を受けて、3年半が経つ。その後Blu-rayを発売と同時に買って、思い出したかのようにまた見た。

衝撃は薄れ、少し俯瞰して見ると、もう少し整えて欲しい点がいくつか見つかった。

・音楽の使い方
なぜここでこの音楽!高校生になり、コウと再会し、追っかけっこしながら、なぜここで!女性シンガーの柔らかいバンド?!

・ラストシーン
ぶっ飛ぶならもっとぶっ飛んで、リアル出すならリアリティ高く、どちらかにして欲しかった。中途半端に浮遊してる感じ。ナツメ、もっと劇的に「ザ・女優!キラキラ!」に変わってて欲しかった。

その2点。

その点も含めて、すごくインディーズなダサさがある、けれど生々しく身も心も傷だらけになっていくばかりの生きる残酷さもある、ファンタジックで神秘的で、とにかく「美しい」に限る、そんな映画があって、残っていって、見るたびにそのときの老い、時間の使い方で、見方が変わるような、そういうものも残っていって、面白いんじゃないかと思う。

ストーリーの中で改めて思ったのは、ナツメはコウを、コウはナツメを、互いに神のように感じていたのかもしれない、ということ。それぐらい、稲妻に打たれるより早く、強烈に惹かれ合う、エネルギッシュで若い男女の情愛。けれど次第に、お互いに唯の人間であることを理解し始める、なんの能力もない人間であることを。中学生から高校生へなるにつれて。

コウがいう「誇り高く居りかったわ、お前が望んだように」。自分は特別だと思いたい10代の妄想が、現実に壊されていく音が、リアルに撮られていた。

メイキングやインタビューまで改めて見て、本当に、監督の情動が爆発してるような作品だった。そのような作品は、一般にあまり理解されないかもしれない(笑)私も一般だが。

女性監督だが、とことん、菅田将暉・コウの「美しさ」にこだわっていたことだけは改めて伝わった。女心が腹の底から求む、男の美しさの極みだと思ったよ。

志摩さんは本当に、初演技であそこまで堂々と、かつ自然にリラックスしてできるのは、本当にクレイジーな人だと思った(笑)変に作ろうとせず、愉しんでいるような。菅田将暉がカメレオン俳優なら、志磨遼平は唯一無二、どこに行ってもあの危ない感じは魅力なんだろうと思う。峯田がみたいに。

それでもやっぱり、何年経っても、ぼかぁ菅田将暉の魅力に、菅田将暉の演技に、何度だって惚れてリスペクトして、感動しまくってしまう。

初めて見たのは「そこのみにて光輝く」
どのようなキャラクターでも、「こいつ本当にそうなんじゃないのかな」と思わせてしまうくらい、パーソナリティが豊かだし、年々豊かになって行ってる気がする。

ここにきて「となりの怪物くん」も見たが、ここにきて、仮面ライダーWのフィリップや、獣医ドリトルでの少年役を思い出すような、10代の幼げな眼をしてみせる。そして本作のコウ、、あれはコウであって、菅田将暉ではなかった。。

顔に唾を吐き、首を絞め、キスをする。
監督のこだわりと、それに応える能力を持った役者が揃ったからこそ、コウという人物がこの映画の中で生きている。そう思った。

舞台挨拶の映像に現れたのはコウではなく、完全に、菅田将暉だった。

(舞台挨拶に現れた志磨遼平は志磨遼平だったし写真家として映画に出てたのも広能と言う名の志磨遼平だったけど)

本当に凄い。
映画の完成度は、最高レベルとは思えない。けれど確実に、すごい映像を納めた、そういう映画であると改めて思う。