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ゲームのある日常(発見器)

(今回現実世界の設定ですが、これもお話です。
フィクションです。今回うさぎは脇役ででてます。)

私は、コーヒーを一口飲んでカップをテーブルに置いた。
目の前には、予想通り席に着くなりスマホに齧りついて
いるナオミンがいる。
予想通りと言ったのは、最近ナオミンがなんかのゲーム
にはまっているらしいという話を、
他の友人から聞いていたからである。始めると手が離せ
なくなるゲームでもなさそうなので、
退屈しのぎに「なぁ、ナオミン、それ面白いのか?」
と聞いてみた。
画面から目を離さずに「うん、すごーく面白いよぉ」
とナオミンが答える。
そして、今度は顔を上げこちらを見て「沙希もやるぅ?」
と聞いてきた。
他の友人達にことごとく断られてるのに、かなり期待して
るようだ。
私も、こういうのは、ゲームとかアニメとか、ドラマでも
いいかもしれないが、後から
友人たちと、あーでもない、こうでもないと話す楽しさは
知っているので、多少つまらな
そうでも幼馴染としてナオミンにつきあってあげようかと
思っていた。
ナオミンのスマホの画面の中に、ちょっと目付きは悪いが
モフモフのウサギが見えた。
「ナオミン、どういうゲームなんだ?」
「うさぎさんを、増やすゲームだよぉ。」
(あれっ、ナオミンにしてはまともなゲームじゃないか)
先月の事を思い出した。この時はパソコンのゲームだったが、
ナオミンのPCの画面の中で
RPGの設定世界がサラサラと砂のように崩れていく様を
二人で見ていた。
画面の中のネコ耳のナオミンのアバターもツールを大事そう
に抱いたまま崩れて消えていく。
この演出は、このゲームの管理者の数少ないユーザーへの
最後のサービスなんだろう。
そして「これまでありがとう御座いました。本日をもって
総てのサービスを終了させて
いただきます。」のメッセージが出て、ホントに終わった。
「なんで、こんな面白いゲームがなくなちゃうのぉー。」
とナオミンは涙声で言った。
終了の瞬間を一人では耐えられない、というナオミンに付
き合ってあげていた。
たった3ヶ月で、ユーザー数が絶望的に増えないので終了
したようだ。
そうだ、そういう子だった・・・。
(まぁ、つまらなそうだけど、
ウサギで癒されるのもいいか・・・)
「ナオミンあれか、白うさぎと黒ウサギをつがいにして、
パンダうさぎを育てるみたいな、
 そんな感じか?」
「ううん、そんな面倒な事しないでも増やせるよぉ。」
「うさぎ分裂でね^^」
「えっ」
「今ね、なおぴょんが分裂して、サキぴょんができた
とこだよぉ。」
(その目付きの悪いの「サキぴょん」かよ。)
それはいいとして、少なくとも私は「うさぎ分裂」
では癒されない。
「あっ、わりいナオミン、家で買い物頼まれてたの
忘れてた。」
「話の途中だけど、急いで行かなくちゃ。」
「そういうことで、先でるな。お茶代ここに置いとく。」
そうだった、ナオミンはなつっこくて
皆に好かれているけど、
別名「クソげー発見器」と呼ばれているんだった。