「成功や幸せは、喜べばいいんじゃないの?」と普通ならば思うでしょう。経験したことがない人には、なかなか理解できにくい感情かと思いますが、世界じゅうで長年研究されている、決して特殊ではない心理です。そして一部の専門家たちは、この悩みが特に女性に多いことを指摘しています。
自分の成功は分不相応!?=「インポスター現象」
例えば、仕事。何らかの成果が出たり、成功したときにも、それが自分の実力だと思えず、自分はできるふりをしているだけで、いつか化けの皮が剥がれてしまうのではないかなどと不安になってしまう。こうした心理は、『インポスター現象』とも名付けられています。運や周囲の協力に感謝しつつも、「これは自分の努力の成果でもある。自分はよく頑張った!」と考えられれば、こうした悩みは生まれないのですが、そう思えないのですね。
インポスター現象に悩まされる人たちは、失敗したときは「自分の責任だ」と考えますし、成功したときも、「自分の成果ではなく、幸運やその他、自分以外の要素の結果だ」と考える傾向があります。基本的に心の中では「自分は能力不足だ」と感じていて、「周囲が思っているほど、自分は実際には聡明でもないし、勤勉でもないし、才能もない」などと考えてしまう。「自分が努力して成功した」という事実は無視して、自分の自覚している弱点にばかり、目を向けてしまうのですね。
幸せを失うのが怖い!? 『幸せ恐怖症』
こうした“不安”の心理は、結婚など、プライペードな幸せでも起こります。例えば、好きな男性にプロポーズされて幸せの絶頂にあると思われるような女性が、なぜだか不安定な気持ちになり、「幸せになるのが怖い」と感じてしまう。理想的な相手に巡り会ったからこそ、「いつか自分は捨てられるのではないか」という思いを拭えず、どうせ捨てられるのなら、と自らその恋を捨ててしまったり。恋人ができて、幸せな状態に落ち着いてくると、なぜか不安になってきて、わざと喧嘩をふっかけたり、トラブルを起こしてしまったり。そうしたことが続いた結果、「私は、少しくらい不幸な状況のほうが落ち着くのかもしれない」と、幸せになるのを半ば諦めてしまっている女性もいます。
こうした、『幸せ恐怖症』とも言える心理には、生育環境や母親との関係性が指摘されていますが、幸せな家庭に育ったはずの女性にも起こっています。いずれにせよ、何らか“自己否定”の心理を持っており、「自分を大切にするのが苦手」という傾向が共通しています。
物事を0か100で考えないクセをつける
満足のいく人生を送るためには、謙虚さも必要ですが、同じくらい、「自分の力で成し遂げたことを自覚し、それをきちんと評価できること」や、「自分は価値ある人間だ、と自信を持つこと」も大切。そして、「自分が幸せになること」を素直に受け入れられないのも、本人にとってはとても辛いことですね。
こうした心理傾向に思い当たる部分がある人は、物事を0か100かで考えない習慣をつけていきましょう。100%完璧な自分を目指すからこそ、少しのマイナスが気になってしまう。100%の幸せを目指してしまうからこそ、失うのが怖くなる。他人も自分も完璧ではないし、人生や物事にも必ず好調不調の“波”がある、ということを認識しておくことが有効です。