2006年8月4日

このブログをお読みになられている方へ


いつもお読み頂き、

本当にありがとうございます。

明日から8日(火)まで休暇を取る関係で、

次回のアップは9日(水)になりますが、

引き続き御拝読のほど、

よろしくお願い申し上げます。


畑 直樹

2006/08/03

立ち居地:ポジショニング


スピーチやプレゼン、講演等で聴衆の前でお話をする際の

「立ち居地」について考えてみましょう。

いわゆる「ポジショニング」です。


私の経験から考えると、

大統領演説や国会討論のような場合を除き、

聴衆にお話をする際は、動くほうが良いです。

すなわち、立ち居地を少しずつ変えていくのです。

もしマイクが固定されていたら、

マイクスタンドからマイクを外して手に取り、

話し始めましょう。

そうすれば話をしながら立ち居地を変えることができます。


なぜかというと、理由は単純で、

聴衆(人間)の集中力は1分が限界だからです。

たとえば一分間、動かない物体を見つめてみて下さい。

結構、時間が長く感じられますよ(笑)。


では、もし、あなたが見つめていた物体が

左右に動いていたらどうでしょうか?

おそらく一分間は容易に耐えられるでしょう。


話の内容にもよりますが、

聴衆(人間の目、すなわち脳)は、

非常に飽き易いことを覚えておくべきです。

一箇所に視線を集中し続けることは、

聴衆にとって苦痛なのです。

だからあなたがお話をする際は、

聴衆のために立ち居地を変えてあげましょう。


立ち居地を変える際のポイントですが、

むやみに動くと逆に聴衆の集中力を乱します。

視覚は聴覚に勝るからです。

そこで、これを覚えていて下さい。


「一つの話題は、一つの場所で話す」。


要は、話題ごとに立ち居地を変えていくことです。

別の言い方をすれば、一つの話題を話しているときは、

立ち位置を変えず、話題やコンテンツが変わる時に、

ポジションを変えるのです。英語で、


One topic at one spot.」


と言います。


たとえば、結婚式のスピーチを例にあげてみましょう。

まず、あなたが壇上ですることは何ですか・・・?




そうです、そうです。

マイクを外して手に取るのです。

それだけで、あなたは、

聴衆の注目を浴びることになるでしょう。


そして聴衆をゆっくりと笑顔で見回します。

感謝の念を込めて。なぜなら、

聴衆がいてこそ、あなた(スピーカー)が輝けるからです。

主役はあなたであり、同時に聴衆でもあるのです。



で、次に何をしますか・・・?



右、あるいは左に一歩だけ、

そっと立ち居地を変えてみてください。

そして、ゆっくりと話し始めるのです。

開口一番ジョークをかませる事が出来たら最高です!

聴衆は一気にリラックスできます。


このような状態を「アイスブレイク」と言い、

固まっていた聴衆の緊張が、

あたかも氷が溶け出すように解き放たれます。

そして、あなたに心を開く準備をしてくれるでしょう。


その後は、「一つの話題は、一つの場所で話す」

を心がけながら話を進めていきます。


私達はいざスピーカーになると、

話そうとする内容に注意が集中しがちですが、

話す内容もさることながら、

聴衆をいかにリラックスさせ、楽しませ、

そして感動させるかを、

聴衆のリアクションを見ながらお話することが、

極めて大切なのです。


私は、


「スピーカー=エンターテイナー」


であると考えています。




2006年8月2日

3秒ルール


効果的なアイコンタクトを達成するためには3秒必要です。

すなわち、話をしているとき、あるいは聴いているとき、

3秒ほど相手の目を見つめるのです。


1対1の時は比較的容易ですが、

聴衆の数が増えれば増えるほど、

3秒ルールを維持することは難しくなります。


プレゼンテーションや講演会などで、
スピーカーは1人の聴衆に対して、
何秒のアイコンタクトをしているでしょうか?

おそらく0.何秒の世界でしょう。


聴衆が0人であろうと、

1人であろうと、

100人であろうと、

1000人であろうと、

1万人であろうと、

3秒ルールは適応されます。


わたしはアメリカで
スピーチトレーニングを受けていましたが、
英語力が不十分だったので、
自分で書いたスピーチの原稿を
何回も何回も1人で練習してから会場に向かいました。


1人で練習するときは、聴衆はいませんから、

私は目の前にある植物や椅子を人間だと思うようにして、

3秒間のアイコンタクトを練習していました。

そういう意味で、聴衆が0人であっても

3秒間のアイコンタクトはできるのです。


人間の気持ちはとても繊細ですので、

ジーっと見つめられると、恋人でないかぎり

違和感を覚えるものですが、

逆にまったくアイコンタクトをされないと、

疎外感を感じ、さみしくなってしまう生き物です。



この微妙なバランスをうまく取るのが

3秒ルールの目的と言えるでしょう。

100万人の聴衆にお話をする場合でも、

その中にいる1人1人に対して

3秒間のアイコンタクトを行いましょう。


もちろん、時間的、物理的な制約から、

すべての人にアイコンタクトをすることは出来ませんが、

あなたの努力、すなわちアイコンタクトによって、

聴衆1人1人をリスペクトしようとする努力は、

必ず聴衆の胸を打ちます。


そして、その時にはじめて、あなたが発する言葉と

アイコンタクトを含めた身のこなしに一貫性が生まれ、

強烈な感動が聴き手の中に胎動し始めるのです。







2006年8月1日

10%のあそび


話が弾む人と話が弾みにくい人っていますか?

別の言葉でいうと、

「気が合う」「気が合わない」とも言えるでしょうか?


初対面の時や初デートの時、

あるいはビジネスで初めて人にお会いする時などにも、

人間は鋭敏な感覚を持っていますので、
「気が合う」「気が合わない」はだいたい分かります。


その一方で、

必ずしも初めてお会いする間柄ではないにしても、

「あの人とは、どうも話が合わないなぁ・・」とか、


「なんか沈黙が生まれちゃうなぁ・・」


と感じられたこともあるかもしれません。



先日あるセミナーで興味深い洞察を教えてもらいました。

それは、

「気が合う会話は10%のあそび(沈黙)がある」


というものです。

たとえば、あなたが誰かと会話をしているとします。

その時、

「あなたが50%の時間を話して、


相手が40%の時間を話すとき、お互いが心地よく感じる」

ということです。


数字は変えることができます。たとえば、

あなたが30%話して、相手は60%話すか、

あなたが10%、相手が80%でもいいのです。

要は10%の遊びが存在することです。


反対に、この10%の遊びがなくなると

会話がぎこちなくなります。たとえば、

あなたが40%、相手が40% とか

あなたが50%、相手が30%


といった状況です。

この場合ちょっと気になる沈黙が流れます。

あるいは相手が話すことに集中し過ぎて、


あなたが10%、相手が90%とか

あなたが5%、相手が95%


という状況もありうるでしょう。

この場合「あそび」がまったくないので

会話が窮屈になります。


保険のセールスや販売などでありがちな現象です。
彼らの頭の中は「説明しなくっちゃ!」

という思いがいっぱいで、
「あそび」をなくしてしまうのです。

会話の中の「あそび」を心がけると、

会話全体の流れを意識できるようになります。


また常に10%のあそびを残すようにすることで、

どのような人とも素敵な会話ができる

幅広い人間になれるのです。








2006年7月31日
私がもっとも好印象を感じる人は、
その場にいる1人1人に、
「気配り」よろしく「目配り」をすることが出来る人です。

「目配り」とはアイコンタクトです。


またまたアイコンタクトの話になりますが、
たとえば、お別れの際、
そのグループの主役級の人だけに挨拶するのではなく、
主役級の周りにいる方々にも同じように挨拶できる人です。
合コンでいえば、
本命の美女だけではなく、
その場にいるすべての女性そして男性をリスペクトし、
挨拶し、感謝を表せる人です。


状況によっては、
すべての人に同じように挨拶し、
敬意を表すことは難しいかもしれませんが、
すべての人に「敬意を抱こうとする意識」は、
その人の人格を高める上でとても重要であると信じています。


そうした意識を持っていると、
アイコンタクトも自然と誠意を帯びてきます。
目が泳がずに、きっちりと相手の目を見るようになるのです。
「眼力」が生まれてきます。


アイコンタクトのお話が続いたので、
一つ新しい視点も加えます。
それは「おへその位置」です。
お話する時やお話を聴く時、
自分の「おへそ」を相手の方向に向けるのです。


Face to faceの時(相手と向かい合っている時)は、
そのままでいいのですが、
横並びでいる時は、お互いが真正面を向いています。
そういう時は、顔だけではなく、

横にいる相手のほうに、
できるだけ「おへそ」をも向けるように心がけます。


そうすることによって、

相手には、あなたの顔だけではなく、

あなたの上半身全体が映るようになりますので、


「私はあなたのお話を心から聴いています」


「私はあなたに、こういうことを伝えたいのです」


という姿勢が相手に強烈に伝わるのです。


歩いている時は危険ですが、
レストランやバーで横並びに座るときに試してみて下さい。
あなたの印象がグッと強くなるはずです。
話し方、聴き方の基本的な姿勢は、
「おへそ」を相手に向けることです。


私はこのブログのタイトルを
「幸せになるための話し方、聴き方教室」と題しました。
その理由ですが、私は話し方だけではなく、
聴き方に関してもフォーカスしたいからです。


話すことと聴くこと。
両者をともに成熟させることによって、
人生がもっともっと楽しく豊かになると思っています。

2006年7月27日

今日から新しいコンテンツでブログを更新します。

「幸せになるための話し方、聴き方教室」と題しました。


さっそく今日のワンポインレッスンです。それは、

「アイ(愛)コンタクト」


人とお話をする時やお話を聴く時は、

相手の目を見ると親近感と誠実感が一気に高まります。

友人、恋人、パートナー、道を聞かれたとき、スーパーのレジ、

駅員さん・・・。私達は人に囲まれて生活しています。

誰に対しても最高の状態と笑顔で接したいものです。

その際、アイ(愛)コンタクトはとても重要な役割を果たします。


人とお話をするときや、お話を聴くときに目を見ようとする習慣(意識)は、

欧米人に比べて日本人では少ないかもしれません。

もしかすると、照れや恥ずかしさが日本人にはあるのかもしれませんね。

あるいは、目を伏せることは美徳とされている可能性もあります。


でもぼくは、「アイコンタクト」を「愛コンタクト」と思うくらい、

大事にしています。「目は口ほどに物をいう」と言いますが、

目はその人の内面と人間性、誠意を如実に物語るからです。


「アイ(愛)コンタクト」、大切にしたいです。

それはスキルとかテクニックを超えた、愛の表現なのです。