naokichiのmy Pick
読後、3日ほど寝込むという衝撃の帯
どんな狂った物語なんだと思ったことを覚えている
書店に配属されたばかりのころ
本すら読んだこともなかったのでなにか手始めに軽く1冊読んでみたいと
当時の担当者に相談したらこの本をオススメされた
約450ページ程で
思ったよりも読みやすく、その場の景色が浮かんできそうな表現
映画にすると4時間分ぐらいありそうなまぁまぁ濃い
一人の少女の一生のような物語だった
読み終わった後
たしかにすさまじい虚無感のようなものに襲われ
仕事中何度も天井を見つめて呆然としていたことを思い出した
いまとなってはあの担当者は
なんて本をオススメしてくれたんだと思っている
【簡単なあらすじ】
一人の女性被告人が判決を下される
罪状は死刑
元恋人に執拗なストーカー行為をしたあげく自宅を放火
その妻と子供たち2人が亡くなった事件の犯人だった
彼女を知る人物からすると、到底こんな犯行ができる人物ではないように思える
この事件の裏に何があったのか
無実を信じて幼馴染の弁護士たちが奔走するが・・・
【感想】
判決直後に言った
「生まれてきて、すみませんでした」
この一言がとんでもなく重い
せっかく助けてくれようとしている幼馴染にもすがることなく
ただ死刑を待っている姿が悲しかった
もうちょっと希望をもってほしかったけどいろいろ考えるとしょうがないのかなぁ
最初から最後までこの女の人はなんという報われない人生なんだろうと思ったけど
それでも彼女にとっては幸せな出来事があったのかもしれない
感情移入すればするほど読み終わるのがきつい
事件の悲惨さのせいで人柄について世間からあまりにも誤解されている気がするけど
よく知らないで噂とかテレビで放映するものだけを信じていると大勢の人がこうなるんでしょうね
いろいろ衝撃すぎて続きが気になって夢中で読んでしまうけど
最後のページにたどり着いた時の感情の揺さぶられ方が半端なかったです
ぜひ一度は読んでもらいたいけど
読書人生の最初の一冊にはしてほしくないと思います
いろんな意味でこの本を超えるものがあまり見つからなくなります