双方向シンポジウム「どうする高レベル放射性廃棄物 in 愛知」の催しが1月30日にあった。
すべての映像がネットで流されるとのことなので興味のある方はそちら(資源エネルギー庁)を見てただきたい。

シンポの構成は推進側(NUMOなど広義のお役所)、反対側(市民、NPO)の同数のメンバー
がそれぞれ意見をのべ壇上およびフロアからの質問などに答えるやり方である。
今年になってすでに二回開かれており、昨年からは8回開いているそうである。

主催者である資源エネルギー庁の真の意図はわからないが、免罪符にだけは
してもらいたくない。

以下シンポに参加した感想を思いつくままに述べる

両者の意見、フロアからの発言を聞いて感じたのはまず完全な意見のすれ違いである。
NUMO(原子力発電環境整備機構)の河田東海夫氏は地層処分の信頼性についてもっぱら技術的視点から
述べたのに対し、四日市大学の河田昌東氏は高レベル廃棄物の発生の経緯自体を問題にしている。

すでに商業炉が40年稼動しその廃棄物がたまってから議論するのはおかしい、最初からどうするかを
考えて原発をつくるべきだった、というのが昌東氏の意見である。

昌東氏のもう一つの論点は地層処分の安全性が時間のスパンの長さからいって実験不可能であり、
地層、地下水、社会的変動など変動要因を視野にいれて長期間の保証が可能かと言う問題である。

百歩譲っても、廃棄物の処分の先行きが見えない以上、これ以上の原発の建設は即刻とめるべきで
あるのにそれに対する答えはない。

NUMOにしろエネルギー庁にしろ、日本のエネルギー自給率は4%と農産物に比較しても十分の一であり、
当面は原発に頼らざるをえないというのが出発点である。さらに、温室効果ガス問題(石炭火力を減らす必要)
がこれに輪をかけている。

これに対しては昌東氏からは外部の電力に一切たよらないドイツ農家の例(工場向けは別としてという条件付)
があげられ、またフロアから原発がないと江戸時代にもどるという巷間いわれる話の欺瞞性と再生可能性
エネルギーの真剣な開発と省エネ努力により可能ではないかという意見がでた。フロアからは拍手がおきたが、
役所系パネリストからは反論はなかった。

東海夫氏のいう技術的な信頼性については、昌東氏からはフランス、イギリスでの硝子固化体の成功率が
きわめて低いことから信頼できる硝子固化体に対する疑問がだされた。

もう一人の市民サイドのパネラー兼松秀代氏(放射能のごみはいらない市民ネット岐阜)の議論はもっぱら
岐阜県の瑞浪市と土岐市にまたがる「超深地層研究所」をめぐる、お役所(広義の)と地元自治体、地元住民
の間のやりとり、具体的には「研究所」の実績を処分場にしたいとする(表向きはそういっていないが、要職に
ある人の言動からその意図が見え隠れする)とあくまで研究所段階とどめて約束の約20年で廃止をもとめる市民側との意見の食い違いに当てられた。

資源エネルギー庁側の回答(苗村公嗣氏)は当然とはいえ公式回答の確認にとどまり、意見の食い違いは
うずまらないと感じた。

情報公開の考え方についても意見の食い違いがあった。情報開示請求がだされないと開示されないのか、
審議会の議事録の公開などどこまするのかなど、できるだけ公開の範囲をせまくしようとする役所と
すべてに透明性をもとめる市民側の考え方の違いである。

情報公開については昌東氏が最後にのべた、遺伝子組み換え作物にかんして北海道でおこなわれた「コンセンサス会議」が興味深い。 ただ、コンセンサス会議の議論をもとに道が条例制定、国に対する提案、要望が
どのようになされ、その結果がどのように施策に反映されたが興味深い。

もう一つ、兼松氏の所論「わかりやすく説明することにより却って問題が隠される」(文責安藤)というようなこと
であったとおもうが、こうした問題は市民側に専門家の欺瞞を暴くだけの知識と力量がもとめられ、一般市民
にもよくわかるような勉強会が必要と思われた(フロアからの発言のなかで小学生にもわかるように説明を」
という意見があったが、これに対する親切な説明はなかった)

もう一つ、これは今回の議論の外であるが、かりに処分場ができて将来数百年にわたってリスクを負うのは
だれか? 最大のリスクは放射能の漏出とおもわれるが、この地帯からの地下水の行く先は庄内川水系
か木曽川水系と考えられ、この水を飲料水(庄内川は現在は飲料にしていないが、将来のことはわからない)
として利用する名古屋および周辺の愛知県民である。
ところが、この処分場の合意(現在は研究所だが)について岐阜県知事や瑞浪、土岐市長は関わっていても愛知県知事、名古屋市長はかやのそとである。愛知県民の関心もごく一部をのぞいて高くない。

かつて御嵩町の産廃処分場問題が起きた時も、事故の際、影響の大きい名古屋市を含む愛知県民が立ち上がって反対した経緯がある。原発の問題でもそうだが、とかく地元の町村への掴み金で解決されてきた経緯があり、
かりにもんじゅが事故を起した場合、その影響をうける可能性の大きい風下の地域は相談にものってもらえない。

今回の問題点の一つ目である、原子力政策はさておいて、瑞浪、土岐の問題はひろく愛知県民の関心を
高める方向に持っていく必要があろう。


k古希から学生を復活しました。
諸般の事情でしばらくお休みをいただいてましたが、このたび復活することにしました。
よんでいただければうれしいです。

いままで学生になるまでを書きましたが、これからは学生生活を思い出して書いていきます。
そのほかのトピックスも随時はさんでいきます