先日、帝国劇場で谷崎潤一郎原作のお芝居
「細雪(ささめゆき)」を鑑賞してきました
舞台は戦前の大阪にある名家
繁栄を極めた蒔岡家が時代の変化に流され、静かに
崩れていく様子、それに伴う4姉妹の人間模様や成長が
艶やかな着物との美しい対比を織りなしながら
描かれています
4姉妹を演じるのは、
高橋恵子さん、賀来千賀子さん、水野真紀さん、中越典子さん
鶴子の旧家の格式を守る責任感の強さ、
幸子の周囲への愛情と優しさ、
雪子のほんわかした中に見える芯の強さ、
妙子の波乱万丈な人生ながらも奔放で朗らかなようす、
皆さんそれぞれのお美しさをお持ちで、うっとり
いくつかのアクシデントは起きるものの、激しい起伏は
感じさせず、優雅なバロック調の音楽とともに淡々と
物語は進んでいきます
その美しくも儚い世界には、いつの間にか引き込まれて
しまう不思議な魅力が
かなり前の方で見ることができたので、役者さんの
表情だけでなく、シーンごとに変わる美しいお着物も
たっぷりと堪能することができました
こいさんのモダンな洋装も、真似しちゃいたいくらい
美しかったです
女性陣の品のある立ち居振る舞いも、一朝一夕で
身につくようなものではないけれど、女性として憧れます
全体に悲しいにおいが漂った作品ですが、でも美しくて
大阪弁は聞きなれていないはずなのに、品のある
柔らかな台詞回しは、すぅっと耳に入ってきて心地よいです
ちなみに、作品は身内同士の会話が主になるので、
人物たちも方言独特の愛称でよびあいます
「ごりょうさん」「なかんちゃん」「きあんちゃん」「こいさん」
「とう(嬢)さん」・・・
東京生まれの私にはあまり馴染みのないこういった文化も
少し非日常的で、作品をより幻想的に見せてくれているの
かもしれません