錣曳きを見ていた判官(義経)は馬を汀に寄せます。これを見付けた 平家の大将 能登守教経は弓矢にて射掛けます

!?!?

そこへ 大将を討たせまいと、義経一の郎等 佐藤継信が義経の前に来て能登殿の矢を身代りに受け、落馬します!

平家方の、元は教経の兄である通盛に仕えていた 菊王丸(通盛の死後は教経に仕える)がすかさず継信の首を取りに打ってでますが、継信の弟の忠信がそうはさせまいと弓を射ます!!!こうして菊王丸も討たれます。
義経は矢に射ぬかれた継信に駆け寄り抱きかかえ、教経は討たれ菊王丸を引きずり上げ船に乗せます。
♪ともに哀れと思しけるか、船は沖へ、陸は陣に。合挽に引く塩の、後は鬨の声絶えて。磯の波、松風ばかりの音寂しくぞなりにける
義経も教経もお互い戦を辞める程の悲しみに陥る結末になってしまったのです…
語りが終わり、僧はあまりに詳しく語った漁翁の名を尋ねますが、浅倉や木の丸殿と古歌に詠まれる人でもない と名乗らない。塩の引く明け方に修羅の苦患の時が来る。そのときに名乗らずとも名乗るとも よし常(義経)の憂き世の夢を覚ますなよ…と義経の霊であることをほのめかす様に消えて行く 中入