出て来たシテの口にする詞の節々に 「 悲しきかな 盲亀の浮木 闇中に埋木 浮き沈む うつほ舟 こがれて堪えぬ 忍びはつべき」
といったキーワード。
今の身になってしまったことをとても悔やんでいる様子。同情の気持ちさえ湧いてくる‼
過去の語りに入る前には「法の力を頼むなり 」 とすがる気持ち。
僧(ワキ)は何と言おうが人間には見えない‼何者か?と問う。シテは 実は近衛天皇の時代に頼政(源頼政)の矢先にかかり命を失った鵺という者の亡心であると明かす。当時の事を詳しく話すから弔って下さいと頼む。僧は弔ってあげるから話なさいと言いシテは舞台の真ん中に来て僧の近くに座り当時の語りに入る。 
近衛天皇が夜な夜な御悩(大まかに病気の事。精神的が強いらしいのですが、諸説有)有り。
天皇の一大事に高僧貴僧を集め大法(祈祷!?)を行ったがその病は一向に治らない。
しかもひどくなるのは丑の刻(現代で言う草木も眠る丑三つ時 午前2時から3時)である。
その時東三条の方から黒雲が一群来て天皇の居る御殿の上にやって来る。すると天皇の病は必ずひどくなるという事を突き止めた公卿達は会議をし、武士に警固させようということになり源頼政が選ばれる。続
5月13日金曜日に河口湖ろうそく能にて勤めさせていただきます鵺について私なりの見解で書かせていただきます。

シテは近衛天皇(76代天皇)の時代(1151~53頃) 源頼政の矢先にかかり命を失った鵺という者の亡心。この鵺という生き物は頭は猿、尾は蛇、足手は寅、鳴く声は鵺(今で言うトラツグミという鳥)に似ているという何とも想像を絶する生き物である。
平家物語に記されているまんまの文章であります。
諸国一見の御僧(御ワキ)が津国芦屋に来て宿を借りますが所の者(御狂言)にこの辺りの決まり事で余所者には貸さないと断られます。僧が諦めて去ろうと人の良い所の者はやはり貸します‼と声を掛けます。ここで曲によっては僧が感謝の意を見せたりするのもあるのですが、その借りれる御堂はあなたの所有か?等と聞き、違うと言うと ならあなたに断るまでもない‼と言い放ちます‼所の者は 何とひねくれた人か!とぶちぶち言います。私もそう思います(怒)しかしそのあとがカッコいい‼と思ってしまうのです。ぶちぶち言ってた所の者が その御堂には夜な夜な光物(幽霊)が出るぞ‼  すると僧は  法力を持って泊まろと振り向きもせずに謡切るのです‼カッコいい‼そして前シテが現れます‼右手に水竿を持ち浮かばれたいという気持ちの言葉ばかりを謡ます。僧は法力にて船の様な物に乗っているであろうはっきりとは見えない人の様な物体に話しかけます。

唐突に宣伝です‼5月13日金曜日午後5時半より富士河口湖町勝山の「さくやホール」にて「第18回 河口湖ろうそく能」を催します。第1部は能楽師 佐久間二郎さんに本日の解説をしていただきます。第2部は仕舞 頼政  狂言を今年は大蔵教義さんに 鬼瓦  そして 能 鵺 を白頭の小書の演出にて私が勤めさせていただきます。チケットは5千円、開場16時半、終演予定20時半頃予定
宜しくお願い致します