あたたかな水の中で 僕はゆっくりしずんでゆく

抵抗せずに ゆっくりと

ただただ 沈んでゆく

重力と水圧が凄くて

気づいた時には ぼく自身這い上がろうと手を伸ばそうとしても それが出来なかった

まるで 蟻地獄のように

ただただ 沈んでゆく

途中から何度もあがくけれど 沈んでゆくだけ

何度もあがいて、あがいて、あがきまくって

力を振り絞って、あたたかな水槽の蟻地獄から

少し抜け出して暫くしたら 女神が現れた

そして 痛いはずの傷を 痛いと感じないままのぼくの傷に 天使が羽根をくれた