かみさまの置き土産かもしれないね
窓際にある光れる椅子は

   (なお)


転職してもう2年と4ヶ月が経つ。
いまだに繋がりがあり、
同期や先輩やらちょこちょことメールのやりとりがある。

先週、葉書が届いた。
働いていた当時、私の部署で働いていたバイトの女の子からだった。

「お元気ですか?4月から夢だった小学校の先生になります。
 お世話になりました。」

そのようなことが書いてあった。

こんな葉書を彼女が送ってくれたのも、彼女を採用する面接の担当者が私だったからだ。

ダイレクトメールの制作の締め切りに追われてばかりの忙しい部署だったけれど、
彼女はあれからずっとあの場所でバイトを続けてくれて、そして自分自身の夢を叶えた。


私が前の会社に置いてきたとりわけヘンなものは鉄アレイと昇格通知書だったけれど、
彼女という存在が私にとって(勝手に)最後の置き土産だと思っていた。


前の会社でもっとがむしゃらに取り組めばよかったと
いまだに淡い後悔の念もあったりなかったり。

でも彼女と一緒に働けたことは自分がいてよかった、と思える一つの出来事だった。
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生れ生れてはじめに冥し風立ば刹那阿鼻叫喚の濱木綿


燻製卵はるけき火事の香にみちて母がわれ生みたることゆるす


固きカラーに擦れし咽喉輪のくれなゐのさらばとは永久に男のことば

(塚本邦雄)


まま は まいばん どくしょ しています。

さいきんは 「つかもと くにお」という ぜんえい の ひと の かしゅう が おきにいり だそうです。

でもそのわりには すぐねましゅ。

おやすみなさい。
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降りいでて漸(やうや)くしげき寒(かん)の雨なみだのごとき過去が充(み)ちくる

    佐藤佐太郎『帰潮』


一通のメール戻りて寒の雨涙のごとくゆびさき濡らす

(なお)

ちゃんとした雨は久しぶり。


打たれてみようかな?何て思う。
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さよならは永久の響きか
きれぎれの飛行機雲にあなたをおもう


(なお)

笹井宏之さんがお亡くなりになった。

昨年話題の「ひとさらい」刊行から僅かな時しか経っていないというのに、26歳という若さで。

私が選をしたテノヒラタンカやNHK土曜の夜はケータイ短歌でも、投稿歌人として群を抜いていた。叙情溢れる独自の歌の世界にもう触れられないのは大変悲しむべきことです。

類い稀なる才能でした。さようなら、笹井さん。
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受け止めて受け流す日々
朝な朝な冬の匂いにじゃれあっている

(なお)

ただいま連作構想中。

窓の外に目をやれば隣の幼稚園でマラソン練習がはじまっている。
ぐるぐると園庭をゆく園児たち。台風の渦巻きさながら。
私の脳内も詩になりたがっている単語がぐるぐるしています。
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三百と六十六の
夜暮れて
白布のごとき年迎えたり

   (なお)

2008年12月31日は、2008年の366日目の日。

2008年を振り返ってみると、仕事でのステップアップや出産と変化に富んだ一年だった。

変化に晒されながらも歩んでこられたのは、支えてくれる家族や友人達・うた友と日々の思いを綴るblogという場のお陰。

ゆらゆら私自身が揺らいでいるときも依り所があったからきっと乗り越えられたのだ。


願わくば今度は依り所として必要とされる立場に。

だから2009年は基礎を大事に。

健康、うた、シゴト、母親業。
真っさらな気持ちで向かい合い、自分の色に染めていきたい。



まずWii Fitで体型もどさないとなー。



2009年もどうぞよろしくお願いいたします。
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久方の朝の光はももいろを帯びたちいさき吾子を照らせり


   (なお)

12月15日朝、女の子を出産しました。

この朝のことを私は多分一生忘れはしないと思う。


日曜日の夜のこと。夕食後、実家リビングで違和感を感じた…と思ったら破水。そのままクリニックへ向かいました。


一晩かけていくつもの波を越え、やっと早朝訪れた大きな波のうねりに合わせて何回力を込めて呼吸しただろうか。
目を開けたらももいろの小さな身体を抱き留めていました。

澄み渡る師走の空が涙を誘うぐらい眩しく、まさかこんなシアワセが自分に訪れると思いもせず、
かみさま、宝物をありがとうと思わずにはいられませんでした。



短歌という表現活動に加えライフワークがもうひとつ。

この子と歩む人生というライフワーク。


妊娠、出産は肉体改造もいいところで、腹は脹れるし、下半身はガタガタになります。ホルモンの作用で集中力も心の安定も欠く、産後は産後でまともに座れない、胸がぱんぱんに張るし…。

なぜに女性にだけ課せられるか不思議で仕方がなかったけれど、流れにしたがって心が向かう方向に子とともにゆっくり歩んでいこうとおもいます。


子の名は夫と一緒に決めました。(子が自分で名乗ることの出来る日まで公開は差し控えさせていただきます。)

憂鬱になるようなニュースの多い昨今だけど、子が自分らしく歩めるように名前にたくしました。


あたたかいメッセージやお気持ちをくださった知人・友人、通りすがりの方々ありがとうございました!
未来短歌会、加藤治郎選歌欄「彗星集」のメンバー制作による 同人誌「新彗星」第2号、
発売を開始しました!


特集は「修辞の死/再生を巡って」

穂村弘と語る『ひとさらい』と現代短歌 
 穂村弘 × 加藤治郎

穂村弘さんと加藤治郎さんの対談を収録。

私は今や売れっ子の
イラストレーター九月亙子ちゃん
とのコラボ作品で掲載されております。

三日月の弦が張り詰めるような夜の連作。
うつくしいタッチによる挿画にもご期待ください。


評論・作品も読み応えのある100ページです。
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郵便夫を待つ夕暮れのゴッホかな
耳のかたちの花弁燃え立つ


(なお)

実家と図書館を往復して本にひたりきる。
雨の日の夕方、記憶の部屋をいくつも開けていくように読み耽る。
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待つ午後の日なたまぶしく
カフェラテにほろんと浮かぶ天国の地図


(なお)

今日はいいお天気。

便りを待つように身体の内より発せられる信号に耳をすませるばかりの日々。
読書もヨガも手芸も投げ出して三駅向こうの街へ。やっぱり待つのは苦手だ。


今日は安産に効くらしいラズベリーリーフティーだけ買って帰ります。