最近ダメだったもの。
夜明け。
夜が開ける時の
少しずつ白くなる空。
窓の外の白い大きな壁を
ゆっくりとオレンジ色に染める時間。
車の音もない
誰も動いていない
なんて静かで孤独な時間なんだと思った。
燿くんと2人きりで
病室にいた事を思い出す。
夜が明けるまで
ずっとずっと
穴が空くかと思うほど見つめた
あの子の笑ったような穏やかな顔
何度も何度も撫で続けた
柔らかくて気持ちのいい
冷たいほっぺた
まだこんなにもはっきり覚えている
薄暗い部屋の中で
だんだんと明るくなる街を
腕の中で保冷剤に包まれた
冷たい燿くんと一緒に眺めてたあの日。
ここ数日
夜明けに目を覚ます事が多くて。
あ、華瑠ちゃんがですよ。
で、夜明けに寝られない日があって
たまには早起きしてみるかと
1人リビングに降りてきて
おはよう、と
燿くんに声をかけました。
朝方はとても静かで
やけに寂しく感じました。
そこから、です。
夜明けに目がさめると
寝られなくなる。
なんとも言えない
寂しい?切ない?
そんな気持ちになる。
私はまだ
明け方のこの時間が苦手なんか
燿くんと過ごした事を思い出すからだと
そう気付いたけれど
今書いていてわかりました。
明け方のあの時間には
あの子との想い出しかないからか。
倖くんとも華瑠ちゃんとも
特別な想い出は記憶に残ってはいない
燿くんと、だけの
特別な時間、特別な想い出。
うん
そう思うと好きになれるかもしれないな。
あの子を想いたい時
早起きしてみるのも
悪くないかもしれない。
書くと気持ちの整理も
少しはつく気がします。