2025年11月読了。
『神様の定食屋④ハレの日のさじ加減』
著・中村颯稀
大好きなシリーズ第4巻。
第3巻の感想はコチラ。
シリーズも4巻目に突入し、どんな新展開が待っているのかとワクワクしながら手に取った。
新キャラ登場。
そうきたか。
と言っても、このシリーズは1巻に複数のお話があり、毎回ゲストに新キャラが登場するのだが、今回の新キャラは1話限りの登場ではなく、主人公達メインキャストと同じく複数のお話に跨って登場する。
また、これまでと展開が異なっており、原則1話完結型である点は同じなのだが、メインのストーリーが複数話に渡り同時進行していき、1巻通して完結するといった構成になっている。
その新キャラとは、主人公の営む定食屋『てしをや』にバイトとして雇われた女の子。
序盤ではあまり目立たずにチョイ役として登場するのだが、わざわざ新キャラを起用しておいて、何も起きない訳がなく...。
ストーリー序盤から、何やらお店の様子がいつもと違う。
これまでも、お店は常連のお客さん達で賑わっていたのだが、あることをきっかけに、定番メニューのチキン南蛮定食が世間で認知されることになる。
それを機に、お店は若い女性客で常に大繁盛。
飛ぶように注文が入り、主人公の哲史は舞い上がる。
しかし対照的に、一緒にお店を営む妹は浮かない表情。
勢いづいて新メニューの構想を練る哲史に浮かれるなと釘を刺すことで、対立が起きてしまう。
だが、ある時哲史は気づく。
チキン南蛮定食はSNSなどでひっきりなしに持ち上げられる一方で、一気に食べ残しの廃棄物が大量に増え出した。
雲行き怪しく、一抹の不安を覚える哲史は、これまで同様、近所の神社に祀られている神様に相談しに行く。
ちなみにこの神様と哲史は会話が可能。
このシリーズでは、毎話この神様を通じて哲史の体に未練を残した魂が乗り移り、その魂が哲史を介して未練の対象となる人物に料理を振る舞う。
そして料理を通して、残された側の人物は希望を見出していく。
しかし、今回はこの神社にも異変が起きる。
チキン南蛮定食同様に、神社にも行列ができるほどの若者が集まり出し、それまではほとんど参拝客が訪れることのなかったこぢんまりとした神社が、突然若者と、その若者のお供え物でごった返す。
いつもは困り事を神様に相談していた哲史は、神様の力を借りずにこの苦境に立ち向かう。
『SNS』『バズり』、それらを起因としたトラブルなど、現代社会のリアルな課題とリンクさせたお話になっていたり、これまでと話の展開方法を変えるなど、パターン化しつつあったシリーズの、新たな魅せ方に挑戦した1冊。


